トランプ氏、カナダとの貿易交渉打ち切り表明 デジタルサービス税に反発

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
カナダ・バンクーバーにあるターミナルに積み上げられた貨物コンテナ/Liang Sen/Xinhua/Getty Images

カナダ・バンクーバーにあるターミナルに積み上げられた貨物コンテナ/Liang Sen/Xinhua/Getty Images

(CNN) トランプ米大統領は27日、カナダとの貿易交渉を打ち切り、近くカナダに対する新たな関税率を発表するとSNSトゥルース・ソーシャルで明らかにした。

カナダがデジタルサービス税(DST)を発表したことを受け、数カ月続いていた交渉を打ち切る決定を下した。DSTについてトランプ氏は、「わが国への直接的かつあからさまな攻撃」と形容している。

「この言語道断な税を踏まえ、われわれはカナダとの全ての通商協議を即時終了する。今後7日以内に、米国との取引でカナダが支払うことになる関税をカナダ側に通知する」と述べた。

トランプ氏はDSTを「非関税障壁」と呼び、他国との貿易交渉を通じて特に問題視してきた。カナダの新たなDSTは今月30日に施行予定で、2022年まで遡及適用される。

DSTは物理製品への課税とは異なり、国家がオンラインサービスに課税する仕組みを指す。DSTを導入した国はオンラインで事業を行う大企業から税収を得ることができ、たとえその事業が赤字でも課税できる。米議会調査局の昨年の報告書によると、米国企業、とりわけメタやアップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの巨大IT企業が偏って大きな影響を受けるとされる。

カナダのカーニー首相は27日、米国との交渉を継続したい考えを表明。「カナダ国民の最善の利益のために、複雑な交渉を続けていく。これは交渉だ」と記者団に述べた。

米国のベッセント財務長官は27日、CNBCの取材に「(この税が)導入されることは分かっていた。カナダが実施しないことを望んでいた」と語った。

ベッセント氏は「遡及適用は明らかに不公平だと考える。これはトルドー政権時代の施策であり、カーニー新政権は善意の証しとして、少なくとも貿易交渉中は凍結すると期待していたが、そうしなかったようだ」とも述べた。カナダ政府がDST導入を進めた場合、トランプ氏は全カナダ産品により高い関税を課す用意があるというが、具体的な税率には触れなかった。

米商務省のデータによれば、カナダは米国製品の最大の輸入国で、昨年の輸入額は3490億ドル(約50兆4700億円)に上る。一方、カナダから米国への昨年の輸出額は4130億ドルと、外国製品の供給元としては3番目に多い。

カナダに高関税を課せば、カナダ側も米国製品への関税を引き上げて報復する公算が大きく、両国の経済にとって打撃になるとみられる。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「トランプ大統領」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]