世界の飢餓人口が増加、気候変動など影響 国連報告書
栄養不足のために身長が標準を下回っていた5歳未満の子どもは17年に1億5100万人と、12年の1億6500万人からは減少した。
17年の統計で体重が標準を下回っていた子どもは5050万人だった。
世界の発育不全の子どものうち、アフリカが39%、アジアが55%を占めている。
報告書によると、南米とアフリカのほとんどの地域で事態が悪化する一方、アジアでの栄養不良は目立って改善していた。
飢餓人口が増えているのは紛争や経済停滞の影響もあるが、最大の原因は気候変動が雨の降り方や農期に及ぼす影響と、干ばつや洪水などの異常気象だという。報告書によれば、異常気象の多い国は飢餓人口が特に多い傾向がある。
気候変動で穀物などの生産量が減少し、その流れは今後さらに悪化すると予想される。
飢餓ゼロの目標を達成するためには、気候変動に対応できる食料供給や暮らし方への切り替えを加速させる必要がある。報告書はさらに、気候変動の影響を緩和して災害のリスクを低下させる政策への努力も呼び掛けている。