洗面所に流した使い捨てコンタクトレンズ、プラスチック汚染の原因に

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洗面所などに流された使用済みのコンタクトレンズは、下水処理の過程でも分解されない/Charles Rolsky

洗面所などに流された使用済みのコンタクトレンズは、下水処理の過程でも分解されない/Charles Rolsky

(CNN) 使い捨てコンタクトレンズの多くが洗面所やトイレで水に流され、河川や海に流れ込んでマイクロプラスチック汚染の問題を悪化させている――。米アリゾナ州立大学の研究チームがそんな実態に関する調査結果を発表した。

マイクロプラスチックは、プラスチックが砕けて直径5ミリ以下の断片になったもので、野生生物に被害を及ぼすこともある。

研究チームはインターネットを通じて400人を対象に匿名でアンケートを行い、コンタクトレンズの使用実態について尋ねた。

その結果、使い捨てコンタクトレンズを使っている人のうち5人に1人は、洗面所の流しやトイレにレンズを捨てていると答えた。

この調査結果は20日、米化学会の会合の場で研究チームが記者会見して発表した。ただ、学会誌には発表されていない。

洗面所やトイレに流されたレンズは、排水網を通じて下水処理施設に行き着く。研究チームが調べた11種類のコンタクトレンズは、いずれも下水処理の過程で分解されることなく、細かく砕けて微小の断片と化していた。

この断片は水よりも重いことから、下水汚泥の中に沈着する。これが地面に散布されるなどして、河川や湖、海に流れ込む。

コンタクトレンズを使っている人は、米国だけで推計およそ4500万人に上る。「米国の排水には年間何十億枚ものレンズが入り込み、少なくとも年間2万キロのコンタクトレンズが堆積(たいせき)する」と研究者は言う。

コンタクトレンズはストローやポリ袋と違って液体に近い感覚で扱われ、プラスチックごみになるとは思わない人もいるといい、環境に配慮しているつもりの人でも、レンズを流してしまうことがあるという。

「レンズは生物分解されない」と研究者は強調し、使用済みレンズはごみ箱に捨てるかリサイクルするよう促している。

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