子ども85人、人身売買組織から救出 スーダン
ナイジェリア・ラゴス(CNN) アフリカ北東部のスーダンの警察は、人身売買を行っている犯罪組織の下から94人を救出した。このうち子どもが85人を占める。インターポール(国際刑事警察機構)が12日までに明らかにした。
これらの子どもたちはチャド、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、エリトリア、ニジェール、スーダン、南スーダンの出身とみられている。先月、スーダンの首都ハルツーム市内などで実施された4日間にわたる救出作戦で助け出された。
作戦はインターポールの指揮の下でスーダンの警察官およそ200人を動員して行った。
10歳の子どもを含む被害者らの中には、違法に操業している金鉱で働かされている人々もいた。労働環境は過酷で、危険な化学物質の取り扱いを強要されることもあったという。
インターポールの幹部は「被害者の国籍が多岐にわたっている点から、人身売買が本当の意味で国境を越えた問題であることが分かる。国際的に協力し、警察や関係者が情報と最善の対策を共有する仕組みづくりが求められる」と指摘した。
今回の救出作戦では人身売買に関与したとみられる男2人と女12人を逮捕したほか、現金2万ドル(約220万円)を押収した。救出された人々に対してはスーダン政府が支援を行うとしている。
米国務省によれば、スーダンで人身売買の被害に遭う恐れのある人の数は290万人前後に上る。背景には経済的な困窮状態の蔓延(まんえん)があるとみられる。