ロシア各地で年金改革めぐるデモ、拘束者800人以上
(CNN) ロシア各地の都市で9日、政府の年金改革案に抗議するデモが一斉に実施され、独立系の監視団体によると少なくとも計839人が警察に拘束された。
ロシアでは年金の支給開始年齢を引き上げる政府の改革案に対し、抗議の声が強まっている。この日のデモは、野党指導者ナバリヌイ氏の支持者らが主催した。同氏は今年1月に首都モスクワでの無許可デモを呼び掛けたとして当局に拘束されている。
9日のデモに対する当局の取り締まりは、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで特に厳しく、独立系の非営利組織(NPO)「OVDインフォ」によると同市だけで少なくとも354人が拘束された。
サンクトペテルブルクでのデモの様子をとらえた画像が、インターネット上に投稿されて拡散した。現地のカメラマンはCNNに、学齢の少年や高齢の年金受給者が拘束される姿も撮影したと語った。
独立系の民間放送局「TVレイン」は、同局の女性記者1人がこの日、モスクワ市内でデモを鎮圧しようとした警官のこん棒で打たれたと伝えた。
ナバリヌイ氏は国営放送からほぼ締め出されているが、ユーチューブやソーシャルメディアを通して広く情報を発信している。同氏のツイッター・アカウントでは、モスクワのデモをライブ配信していた活動家が拘束される映像も公開された。
プーチン政権はこれまで高い支持率を維持してきたが、年金改革をめぐる最近の論争をきっかけに国民の不満が噴き出している。