イスラエル軍、ガザでの軍事作戦拡大に向け予備役招集へ 人質解放進まないなか
(CNN) イスラム組織ハマスとの停戦交渉に進展が見られないなか、イスラエル軍は3日、数日中に数千人の予備役を招集すると明らかにした。パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦を拡大させるものとみられる。
今回の発表前には、イスラエル軍のザミール参謀総長が2日、ネタニヤフ首相とカッツ国防相に対し、ハマスへの圧力を強めるための計画を提示したとの報道が出ていた。
イスラエルの地元メディアによれば、ザミール氏の計画にはガザ北部と中部での作戦の拡大に先立ち、これらの地域からパレスチナの民間人を避難させることも含まれている。これは、今年に入りガザ南部ラファで使われた戦術と似たものとなっている。
今回の報道によって、ガザでハマスに拘束されている59人の人質の家族の間では懸念の声が広がった。人質の多くは2023年10月に起きたハマスによる奇襲の際に連れ去られた。ハマスの奇襲が1年半に及ぶイスラエルによる攻撃の引き金となり、ガザでは5万人以上が死亡した。
被害者団体「人質・行方不明家族フォーラム」は3日、「緊急かつ心からの」訴えだとし、戦闘激化は生死を問わず人質に差し迫った危険をもたらすことになると警告した。
人質の解放をめぐる交渉は数週間にわたって進展していない。エジプトとカタールが仲介する協議はたびたび決裂している。ハマスが恒久的な停戦とイスラエル軍のガザからの完全撤退を要求する一方、イスラエルはハマスが「妥当な提案」を拒否していると非難している。