バフェット氏、今年末にバークシャーのCEO退任へ 後任にアベル氏
バフェット氏「貿易は戦争行為となり得る」
(CNN) 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏(94)は3日、投資会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、今年末に最高経営責任者(CEO)を退く考えを表明した。
取締役会の承認を待って、グレッグ・アベル氏がその時点で後任に就任する。バフェット氏はバークシャー株を1株も売らない考えを示している。バークシャーの非保険事業部門の副会長を務めるアベル氏は、2021年に後継に指名されていた。バフェット氏は会長職にとどまり、自身の死後、その役割を長男ハワード氏へ引き継ぐ予定。
バフェット氏はネブラスカ州オマハのCHIヘルスセンターで、「グレッグは今年末に会社のCEOに就任するべきだ。私はその旨を取締役たちにきちんと伝えたい」述べた。
バフェット氏によると、退任する考えを知っていたのは子どもたちだけだという。
数千人の出席者は総立ちでバフェット氏に拍手を送った。
バフェット氏は今回の株主総会で後継計画に言及するとみられていた。バフェット氏は1965年のバークシャー設立当初から会社に在籍している。
早熟な投資家から世界有数の富豪へ
バフェット氏は30年、オマハ生まれ。初めて投資を行ったのはまだ11歳の時だった。42年に初めて株を買い、石油会社シティーズ・サービスの株式を1株約38ドルで3株購入した。
バフェット氏は最終的に、この株を40ドルで売却。後日であれば1株200ドルで売却できた可能性もあるが、この時の1株当たりの利益はわずか2ドルだった。
6歳のころには、人気のチューインガムやコカ・コーラの瓶を売っていた。コカ・コーラには現在、バークシャーが巨額の出資を行っている。
13歳の時に父親が連邦議会の下院議員に当選し、一家は首都ワシントンへ移住。バフェット氏はワシントン・ポスト紙の新聞配達員として働いた。15歳までに2000ドルを稼いだ後、ネブラスカ州の農場に1200ドルを投資した。
卓越した投資眼で、20歳前には貯蓄が5000ドルに達した。50年にネブラスカ大学を卒業後、ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクールで経済学修士号を取得。56年、100ドルの自己資金を元手に自身の投資会社「バフェット・パートナーシップ」を設立した。
65年には、経営難に陥っていたマサチューセッツ州ニューベッドフォードの繊維会社バークシャー・ハサウェイを買収し、盟友チャーリー・マンガー氏と共に巨大コングロマリット(複合企業)に成長させた。
バークシャーはシーズ・キャンディーズを買収し、コカ・コーラやABCテレビに出資するなど、様々な投資を行った。
2025年までに、バークシャーの時価総額は1兆1000億ドルに達した。
米ブルームバーグ通信のビリオネア指数によると、バフェット氏は世界5位の富豪で、純資産は1690億ドルに上る。