トランプ氏がシリア政権に警告、イドリブ攻撃をけん制
(CNN) トランプ米大統領は3日、シリアのアサド政権や同政権を支援するロシア、イランに対し、反体制派の最後の拠点となった北西部イドリブ県を「無謀に攻撃してはいけない」との警告を発した。
トランプ氏はツイッターへの投稿で、シリアのアサド大統領にイドリブ攻撃の自粛を求めた。また、ロシアとイランがその攻撃に参加すれば「重大な人道上の過ち」を犯すことになると主張。「何万人もの人々が殺される可能性もある。それを現実にしてはいけない」と訴えた。
米当局者らは最近、イドリブ県への攻撃に化学兵器が使われるとの懸念を募らせている。
米国防当局者らによると、アサド政権は数週間前から武装ヘリコプターをイドリブ県の近くへ移動させている。これが通常兵器だけでなく、化学兵器による攻撃に使われる可能性もあるという。
一方でロシアのラブロフ外相は先週、現地のボランティア救助組織「シリア民間防衛隊(通称・ホワイトヘルメッツ)」が政権側による化学兵器攻撃を偽装しようとしていると主張した。
これに対して米国防総省は、ロシアが米国や親米勢力の信用を落とすために偽情報を流していると反論し、偽装工作の疑惑を「ばかげている」と一蹴した。
ポンペオ米国務長官もラブロフ氏に対し、イドリブ県が攻撃を受けた場合、米国はこれを「危険な紛争をさらに拡大させる」行為とみなすとの警告を発していた。
CNNは先週、米情報当局や米軍の専門家がトランプ氏からシリア空爆の指示を受けた場合に備え、同国内にある化学兵器施設のリストを作成したと伝えた。事情を直接知る政権当局者はCNNに、アサド政権が化学兵器を使用すれば、米軍はただちに対応する可能性があると話している。