香港独立運動の背後に「米国の暗い影」、中国がビデオで警鐘
香港(CNN) 米国が中国をシリアやイラクのような混乱に陥れる目的で、香港や台湾の独立派に働きかけを行っている――。中国の最高人民検察院がそんな宣伝ビデオを4日までにインターネットに投稿した。
宣伝ビデオでは、壊滅状態にあるシリアやイラクの映像を中国の牧歌的な光景と対比させ、「チベット、新疆、香港、台湾の分離独立主義者、反体制指導者、死ぬまで闘う弁護士および他の西側勢力の代理人が、中国国内の安定と調和をかき乱している。そうした事案の背後に時折、星条旗の暗い影が垣間見える」という字幕が流れる。
最高人民検察院は短文投稿サイトの微博(ウェイボー)でも「見せかけの革命に注意せよ」と促し、さもなければ「平和で安定した中国」がシリアやイラクのような状況に陥ると主張した。
宣伝ビデオの中で香港や台湾の独立運動に警戒を促す場面には、香港の民主化運動指導者の黄之鋒氏や、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統の写真が使われている。
黄氏はこのビデオを「虚言だらけ」と一笑に付し、中国の人権弁護士が2日、国家権力の転覆を企てた罪に問われた事件に触れて、「本土の司法制度が信用できない証し」と批判した。
香港では独立派の政治家5人が、9月に行われる議会選挙への立候補を阻まれている。
そのうちの1人、梁天琦氏は記者団に対し、香港が中国の支配下にある限り真の民主化は実現できないと主張して革命を呼びかけた。