中国農村部で深刻化する留守児童問題、現地を取材

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村には産業もなく、働ける年齢の住民は出稼ぎに出ている

村には産業もなく、働ける年齢の住民は出稼ぎに出ている

農地は打ち捨てられ、住宅工事は完了しないまま放置されている。村に仕事はなく、働ける年齢の住民は皆、都市部に出稼ぎにでかけた。村に残されているのは、高齢者と幼い子どものみだ。

取り残された子どもたちの現状は芳しくない。国営メディアでは、留守児童が虐待を受けているとの報道が相次いでいる。

中国で活動を展開する「子どもの人権と企業の社会的責任センター」(CCR CSR)の責任者は、「中国社会では安心感と信頼が欠如したまま育つ世代が生まれており、壊滅的な効果を及ぼしかねない」と述べ、留守児童の増加が社会にもたらす影響に警鐘を鳴らす。

都市化にともなう出稼ぎ労働者増加の問題をさらに悪化させているのが「戸口」と呼ばれる中国独自の戸籍制度だ。戸口制度では、人々は「都市戸口」と「農村戸口」のいずれかに2分されて登録されており、農村から都市に出稼ぎに行った場合でも登録内容を変えることができない。

このため都市における出稼ぎ労働者は、医療や社会サービスへのアクセスを制限されている。その子どもは、たとえ都会で生まれたとしても公立の学校に通うことができない。

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