「中国の夢」、幻想か現実か

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中国が経済的にも軍事的にも大きく力をつけ、庶民の暮らし向きも豊かになってきたのとは裏腹に、人々は政府や国の未来への信頼を失いつつあるかにみえる。怒りと絶望にさいなまれる中国人も増えているようだ。

習主席が「中国の夢」について明言し不正対策を講じているのは、党と政府への人々の信頼を取り戻すため、指導層として第一歩を踏み出したということだろう。これまでのところ、習主席の施策は熱狂的な支持を受けている。おそらく鄧小平以来、国民に最も人気がある指導者なのではないだろうか。

しかし、人々の夢が1人の指導者に依存しているようでは、法の支配とはいえないだろう。それでは、指導者が退任したり誤った決断を下したりした際、一緒に中国の夢までついえてしまう。

国民の大々的な支持を集めている今だからこそ、習主席は制度改革に着手し、あらゆる中国人が夢を抱き実現できるよう、国民主体の制度を整備しなければならない。改革が目標とするのは政治経済の発展だけでない。米国人が「アメリカン・ドリーム」に誇りを抱くように、中国人も「中国の夢」に真の自負を持つことができる、そんな未来を目指しているのである。

本記事は北京外国語大学英語学院教授であり、政治学が専門のシエ・タオ氏によるものです。記事における意見や見解はすべて謝韜氏個人ものです。

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