パキスタンでポリオ接種従事者の殺害続く、計8人に増加

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ポリオの予防接種を受ける生後3カ月の子ども=2012年7月、パキスタン

ポリオの予防接種を受ける生後3カ月の子ども=2012年7月、パキスタン

イスラマバード(CNN) パキスタン国内でポリオの予防接種に当たる医療従事者が襲撃され犠牲者が相次いでいる事件で、北西部のカイバル・パクトゥンクワ州当局者は19日、接種作業に当たっていた3人が新たに攻撃され、死亡したと発表した。

同州州都ペシャワルや南部カラチ市などでは前日5人が死亡している。これらの襲撃事件を受け、政府は全土での予防接種の実施の停止に追い込まれていた。

カイバル・パクトゥンクワ州の予防接種責任者によると、19日の攻撃はいずれも州内で別々に発生。ペシャワルでは子どもに接種していた18歳の担当者が男2人の銃撃を受け、死亡した。チャルサダでは女性担当者2人が複数の男から発砲を受けたものの危うく難を逃れた。

パキスタン北西部に勢力を築く過激派「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」の司令官は今年6月、米国が拠点地域内で無人機攻撃を続行する限り、子どもへの予防接種を禁じると命令していた。18、19両日の殺害事件にTTPが関与しているのかは不明。

パキスタンは世界でポリオ絶滅を実現させていない3カ国のうちの1国で、ポリオの患者が昨年激増したことを受け政府は全土での予防接種キャンペーンに踏み切っていた。パキスタンのポリオ患者は昨年173人に達したが、今年はこれまで53人に減った。

パキスタンでは昨年5月、米軍特殊部部隊が国際テロ組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン容疑者の潜伏先を急襲し殺害していたが、米中央情報局(CIA)が同容疑者の存在を確認するため予防接種を装って家族らのDNAを採取していた。この工作が発覚した後、パキスタン内では予防接種に対する不信感も醸成されていた。

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