涙ながらにペットを手放す飼い主、全米で急増 景気悪化の痛ましい兆候

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預けられた犬の世話をするボランティア=2024年11月/Courtesy Charlotte-Mecklenburg Animal Care & Control

預けられた犬の世話をするボランティア=2024年11月/Courtesy Charlotte-Mecklenburg Animal Care & Control

受け入れは限界、最悪の状況はこれから

ニューヨークの保護施設は今月に入り、容量が限界に達したとしてペットの引き取りを停止した。

同施設は7月18日、「飼い主からこれ以上ペットを引き取ることができなくなった」と発表。「保護しているペットが1000頭を超え、限界に達した」と説明した。

シカゴ市の動物保護局は今年5月、「保護施設にやって来た動物は5月の最初の20日間だけで1日平均56頭に上り、4月の54頭から増加した。頭数が増えるたび、ただでさえ限られた我々のリソースは限界に追い込まれる。迷い犬や迷い猫に加え、飼い主がここに置いていくペットも多い。飼い主はきっとその子が大好きなのに、ほかにどうすればいいのか分からない」とインスタグラムに書き込んだ。

動物保護団体のヒューメイン・ソサエティによると、受け入れ容量が限界に達する保護施設は全米で増えている。背景には生活費の上昇や生活苦、獣医師不足による治療費の増大があるという。

さらに、コロナ禍で起きたペットブームから数年たって賃貸物件の動物飼育条件が厳しくなり、外出制限の中で育った子犬のしつけができていないことに伴う行動問題も目に見えて増加した。

「保護施設が満員になる大きな原因は生活苦にある」「真に最悪の事態が起きるのはこれからだと思う」とヒューメイン・ソサエティのシーザー・ペレアさんは言う。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡では新たな逆風も巻き起こった。6月以来、移民の強制送還によって飼い主がいなくなった動物は数十頭に上るという。

同郡は移民摘発の影響を受ける飼い主を含め、全ての飼い主に対して必要があれば連絡してほしいとして、こう呼びかけている。

「困難な状況にある飼い主には、自宅で飼い続けてもらうために、餌や治療を提供してサポートする」

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