高温の車内に数時間取り残される、米3歳児死亡 州契約業者の管理下で
(CNN) 米アラバマ州でこのほど、高温の車内に取り残された3歳の男児が死亡する出来事があった。保育園への送り迎えを担当する州契約業者の職員は、男児を車内に放置したまま私用を済ませていたとみられる。
死亡したのはカトリアス・スタークス・ジュニア君。ジェファーソン郡検視局と州の人材資源省によると、州の児童保護サービス機関と契約する職員の管理下にあった際、高温の車内に閉じ込められて死亡した。
検視局によると、男児は22日の日中、バーミングハム市内の住宅前に停車した車の中に数時間放置されていた。
遺族の弁護士はCNNの取材に、「3歳の子どもを暑い車に置き去りにしておきながら、子どもが閉じ込められていることを全く覚えていないなど、到底理解できない」とコメント。「男の子は残酷な死を遂げた」と語った。
男児が車内にひとり取り残されていたとされる午後0時半~5時半の間、気温は約33.9~35.6度に達していて、湿度も高かった。CNNの気象専門家によると、気温と湿度を考慮して日陰の体感温度を示す「熱指数」は約38.3~40.6度に達していたという。
家族によれば、州人材資源省の契約業者を通じて雇われた職員は22日午前9時、男児を保育園へ迎えに行き、父親との面会に連れて行った。弁護士によると、この面会は両親の親権回復のために裁判所命令で行われた手続きの一環で、午前11時半ごろ終了したという。
弁護士はCNNに対し、「職員は男児を直ちに保育園に戻さず、後部座席に固定したまま複数の私用を済ませた」と指摘した。
CNNは契約業者とバーミングハム警察に問い合わせているものの、現時点で回答は得られていない。

家族の弁護士はCNNに対し、男児は職員の自宅前に駐車された車の中に固定されたまま、何時間も放置されていたと語った/Petway, French & Ford, LLP
弁護士が提示した時系列によると、職員は午後0時半に自宅に戻り、男児を「窓を閉じてエンジンを切った車内に固定した状態で」放置した。5時間以上が経過した後、保育園から職員に「なぜ戻っていないのか」との問い合わせがあったという。
「職員はその時になって初めて、男児がまだ車内にいることに気づいたと供述している」と弁護士。緊急通報が行われたものの、検視局によると、午後6時3分に死亡が確認された。
弁護士は「もし両親と一緒にいたら、このようなことは起こらなかったはず」と言い添えた。
車内での子どもの事故防止に取り組む非営利団体「キッズ・アンド・カー・セーフティー」の責任者によると、高温の車内で死亡するケースはアラバマ州では今年初めて。全米では今年ここまでに、少なくとも16人の子どもが高温の車内で亡くなっている。