米コロンビア大学、トランプ政権へ320億円支払いで合意 連邦資金の回復念頭

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
米コロンビア大学がトランプ政権への320億円の和解金支払いで合意した/Charly Triballeau/AFP/Getty Images

米コロンビア大学がトランプ政権への320億円の和解金支払いで合意した/Charly Triballeau/AFP/Getty Images

(CNN) 米コロンビア大学は23日、数カ月にわたる交渉を経てトランプ政権との間で連邦政府の資金援助を回復する合意に至ったと発表した。政権側はこの動きを、エリート高等教育機関との闘いにおける「劇的な転換」と表現している。

今回の合意の条件は、差別禁止法違反疑惑に関する複数の連邦捜査の解決を念頭に置く。コロンビア大学は不正行為を認めなかったものの、3年間で2億ドル(約290億円)の和解金を政府に支払うこと、さらに米国雇用機会均等委員会(EEOC)の調査に対する和解金として2100万ドル(約30億円)を支払うことに同意した。

大学は声明の中で、その見返りとして「2025年3月に打ち切られた、または一時停止された連邦政府助成金の大部分が復活し、コロンビア大学は現在および将来の数十億ドル規模の助成金へのアクセスが回復される」と述べた。

ホワイトハウス当局者は、EEOCの調査に対する2100万ドルの和解を「雇用差別に関するおよそ20年間で最大規模の公的和解」と称賛した。当局者によると、その資金はコロンビア大学のユダヤ人従業員に対する公民権侵害の申し立てを解決するために使われるという。23年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃後、そうした侵害がキャンパス内で発生したという。

コロンビア大学は今回の合意について、3月に発表した方針変更を成文化したものだと説明。変更はキャンパスでの抗議活動を受けて4億ドルの連邦資金が打ち切られたことに対する措置だった。具体的にはデモの制限、新たな懲戒手続き、中東関連カリキュラムの即時見直しなどが含まれる。

「コロンビア大学はこの合意で不正行為を認めていないが、大学の指導者たちは、ユダヤ人の学生と教職員が痛ましく容認できない出来事を経験してきたことを再三認識している。過去から現在にわたって改革が必要であることも理解している」と大学は述べた。

合意の実施状況は独立監視員によって監視される。

クレア・シップマン学長代行は声明で「この和解は私たちの価値観を守り、連邦政府との重要な研究パートナーシップを再び軌道に乗せるため、慎重に策定された」と述べた。「重要なのは、この和解が私たちの独立性を守るということだ。独立性は学術的卓越性と学問的探究、つまり公共の利益にとって極めて重要な活動をする上で不可欠な条件となる」

それでも大学はトランプ政権に対し、関連するあらゆるデータ及び情報へのアクセス提供に合意した。これは実力主義の採用と入学選考への取り組みを厳密に評価するために必要になる。ホワイトハウスの高官が明らかにした。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「トランプ大統領」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]