新たな米大統領専用機、27年に引き渡し ボーイングが計画か
(CNN) 納入が大幅に遅れている米ボーイング製の新たな大統領専用機「エアフォースワン」は、2027年までに機体の引き渡しが行われる可能性がある。米空軍幹部が明らかにした。実現すればトランプ大統領が任期中に搭乗できる見通しだ。
当初、機体の引き渡しは22年を予定していた。それでも引き渡しが27年に行われれば、ボーイングの直近の予測が1~2年前倒しとなる計算だ。
トランプ氏はかねて引き渡しの遅れに対する怒りを表明。報道によれば別の機体を購入し、暫定的に使用することも検討しているという。
27年に機体が引き渡される可能性についての報道は、米下院軍事委員会での7日の証言が発端だった。同委員会で米空軍の調達担当責任者代行を務めるダーリーン・コステロ氏は、空軍とボーイングとの最近の交渉に言及していた。
「必ずしも期日を保証できるものではないが、彼らは27年の機体引き渡しを提案している。我々が必要な変更点について合意に達するならという条件で」と、コステロ氏は述べた。
同氏が言及した要件の変更は、機密情報へのアクセスに絡む適格性審査の基準を空軍が「緩和」するというもの。機体の製造に携わるボーイングの従業員はそうした審査の対象となるが、これが計画の遅れの一因になっているとの見方が以前から出ている。
ボーイングはコステロ氏の証言についてコメントしなかった。
引き渡しの遅れには数多くの理由がある。17年に当初の契約を締結した後、ボーイングは20年2月に2機の747型機の改修に着手した。これらは別の顧客向けに製造された機体だったが、顧客側が財務破綻(はたん)したため引き渡しに至っていなかった。今振り返ればこうした手順は、恐らくゼロから機体を製造するよりもコストがかさみ、時間もかかるやり方だったとみられている。
機体の改修を開始したわずか数週間後に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生したことも、計画の遅れに拍車を掛けた。