新種の小型恐竜見つかる、ラブラドール程度の大きさ

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今回新たに発見された「エニグマクルソル・モリーボースウィッカエ」のイメージ/Bob Nicholls Art

今回新たに発見された「エニグマクルソル・モリーボースウィッカエ」のイメージ/Bob Nicholls Art

ロンドン(CNN) 約1億5000万年前に現在の米国にあたる地域に生息していた新種の恐竜が発見された。新種の恐竜はステゴサウルスやディプロドクスといったよく知られている恐竜と共に活動しており、その大きさは犬くらいだという。

25日に英王立協会オープンサイエンス誌に掲載された研究によると、「エニグマクルソル・モリーボースウィッカエ」と命名されたこの恐竜は、ラブラドール・レトリバーとほぼ同じ大きさで、体長の約半分が尾だったという。

2021年から22年にかけてコロラド州のモリソン層から多くの骨が発掘されたものの、頭がい骨と脊柱の一部が失われており、科学者らは正確な体長を把握できていない。

ロンドン自然史博物館の研究員で今回の研究の共同責任者であるポール・バレット教授によると、この恐竜はとても「軽量」で、体重はコリーとほぼ同じ。草食で、長い後肢で歩行していたとみられ、これは「かなり高速で走っていたことを示唆」しており、捕食者から「素早く逃げる」ことができたという。

骨格はロンドン自然史博物館で展示される予定だ/Lucie Goodayle/Trustees of the Natural History Museum
骨格はロンドン自然史博物館で展示される予定だ/Lucie Goodayle/Trustees of the Natural History Museum

バレット氏らは、この恐竜を展示していたロンドンの美術ギャラリーから連絡を受けたことをきっかけに調査を開始。ギャラリーと協力して、最終的にこの骨格の寄贈者を見つけることに成功した。種小名は寄贈者であるモリー・ボースウィック氏に敬意を表したもので、属名はラテン語で「謎の走者」を意味する。

調査の結果、バレット氏らはこの標本についてこれまで知られていたどの種にも見られない固有の特徴を持っていると結論付けた。特に大腿(だいたい)骨は他の恐竜とは異なる筋付着部を備えており、特徴が際立っているという。

骨格には頭がい骨が欠けているため、展示用に再建された/Lucie Goodayle/Trustees of the Natural History Museum
骨格には頭がい骨が欠けているため、展示用に再建された/Lucie Goodayle/Trustees of the Natural History Museum

新種は、中国で発見された体長3メートルの恐竜、ヤンドゥサウルスに最も近縁だ。これはこの種が広く分布していたことを示唆しており、単に他の化石がまだ発見されていないだけではないかとバレット氏は推測している。

科学者らは、一部の椎骨がまだ癒合していないことから、この標本はまだ完全に成長しきっていなかったとみているものの、博物館に持ち込まれる前の化石の取扱い方を考慮すると、確信は持てないという。また、骨に明らかな病気やけがの痕跡がないため、恐竜がどのように死んだのかも不明だ。

新種の恐竜は週に1種程度と比較的頻繁に発掘または特定されているという。しかし、今回のような小型恐竜の発見は非常にまれだ。その理由としては、発掘者がより大型で印象の強い恐竜を求めるために見落としがちであることや、小型の骨格は捕食動物や腐肉食動物に引き裂かれやすいことが挙げられる。

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