トランプ氏のイラン攻撃、北朝鮮の核兵器開発を加速させる恐れ 専門家が警鐘
(CNN) 米国のステルス爆撃機B2がイラン上空を飛行し、同国の核施設を標的としていたとき、東アジアの政治家やアナリストらはすでに重大な疑問に向き合っていた。イランよりもはるかに高度な核兵器を保有する北朝鮮に対し、今回の攻撃はどのようなメッセージを送ることになるのか――。
米国の軍事行動は、核兵器開発計画を加速させロシアとの協力を深化させるという北朝鮮の決意を強固にするだけでなく、核兵器こそが米国による体制変更の要求に対する究極の抑止力であるという金正恩(キムジョンウン)総書記の信念を強めかねない。専門家はそう警告する。
北朝鮮をめぐっては、核兵器開発計画を放棄するよう長年にわたる働きかけがあったにもかかわらず、金政権は複数の核兵器に加え、米国に到達可能なミサイルを保有していると考えられている。これは、朝鮮半島へのあらゆる軍事攻撃が、はるかに高いリスクを伴うことを意味する。
韓国の慶南大学で北朝鮮を研究するイム・ウルチュル教授は「トランプ大統領が行ったイラン核施設への攻撃は、北朝鮮の体制存続と核兵器開発に関する長年の方針の正当性を間違いなく強化する」との見方を示す。
「北朝鮮は米軍による先日の空爆を先制的な軍事的脅威と捉えており、核ミサイルによる自らの先制攻撃能力の強化に向けた取り組みを加速させる可能性が高い」(イム氏)
アナリストらは、こうした取り組みの加速はロシアの支援を通じて実現する可能性があると警鐘を鳴らす。ロシアのウクライナ侵攻を受けて両国間の軍事面での関係が深まっているからだ。