トランプ政権、DOGE主導の連邦職員解雇をひそかに撤回 再雇用に奔走

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疾病対策センター(CDC)本部の前で人員削減に反対する抗議者ら=3月25日、アトランタ/Elijah Nouvelage/Getty Images

疾病対策センター(CDC)本部の前で人員削減に反対する抗議者ら=3月25日、アトランタ/Elijah Nouvelage/Getty Images

(CNN) 米連邦政府機関が、トランプ大統領の就任後数週間で解雇された職員の一部を再雇用したり、休暇から復帰させたりしていることが分かった。政府効率化省(DOGE)が主導した連邦職員削減によって生じたサービス上の重大な空白を埋めるため各機関は奔走している。

トランプ政権は、解雇や希望退職をひそかに撤回している。これには、欠員を補うための新規採用も含まれる。この動きは、連邦政府機関が歳出削減策の一環として「人員削減」計画を依然として実施している中で行われている。

トランプ政権が連邦職員削減計画の一部を撤回したとはいえ、急速な再雇用は、今後数カ月から数年にわたって極めて重要となる能力や専門知識を政権がさらに失っており、それらを補充するのは困難となる可能性があることを示している。専門家らはそう警告する。

ブルッキングス研究所の効果的公共管理センター所長、エレイン・カマーク氏は、「このため、連邦政府の至る所に時限爆弾が仕掛けられている」と述べた。「彼らはほぼすべての機関に大混乱をもたらした」

ハリケーンシーズンが迫る中、解雇や早期退職制度により560人あまりの職員を失った国立気象局(NWS)は、連邦政府による採用凍結措置にもかかわらず、全国の予報拠点に約125人の気象学者と専門家を新たに採用する許可を得た。これらの人員は、勤務時間を削減したり、夜勤の人員配置を中止したりせざるを得なかった拠点を補うことになる。

国立気象局(NWS)の気象学者=5月23日、テキサス州ディキンソン
/Brett Coomer/Houston Chronicle/Getty Images
国立気象局(NWS)の気象学者=5月23日、テキサス州ディキンソン /Brett Coomer/Houston Chronicle/Getty Images

保健福祉省(HHS)は、4月に行われた大規模な組織再編の一環として解雇された疾病対策センター(CDC)の職員450人を復職させた。

ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉省長官は5月、鉱山の安全を専門とするCDCの国立労働安全衛生研究所の職員328人を復職させたと明らかにしている。

これらの職員は、政権による「人員削減」計画の一環としてHHSが削減した2400人の職員のうちの約3分の1に相当する。

当初の解雇で大きな打撃を受けたその他の機関でも同様に再雇用が行われている。食品医薬品局(FDA)は、イリノイ州の食品安全研究所で10人以上の科学者を再雇用した。

非営利団体パブリックサービス・フォー・パートナーシップのマックス・スティア最高経営責任者(CEO)は、多くの連邦職員を解雇し、その後復職させる今回の動きは「無能さの寄せ集めであり、政府の幅広い専門知識がもたらす重要な価値を現政権が理解できていないことの証左だ」と断じた。

「これは単一の出来事ではない。今日の課題だけでなく、将来の重要な課題に対処する政府の対応能力を示唆する行動様式だ」(スティア氏)

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