(CNN) 米国が南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の航空機をドミニカ共和国で押収したことが分かった。同機の取得が米国の制裁に違反していると判断した。2人の米当局者によると、米国は2日に同機を米フロリダ州に向かわせた。
これは米国とベネズエラの長年にわたる冷え切った関係の展開を示す最新の事例だ。米国が腐敗的な慣習と見なすベネズエラ政府の行為の調査を続ける中で、航空機の押収は状況を深刻化させている。
当局者はこの航空機をベネズエラの「エアフォースワン」と表現しており、同機はマドゥロ氏がこれまで世界各地を公式訪問した際の写真にも写っている。
米当局者の1人はCNNに「これは上層部にまで送るメッセージだ」と語った。「外国の国家元首の航空機を押収するのは刑事問題として前代未聞だ。我々は、誰も法を超越することはできず、米国の制裁を逃れることはできないという明確なメッセージを送っている」
ガーランド米司法長官は声明で「司法省は、ダミー会社を通じて1300万ドル(約19億円)で違法に購入され、ニコラス・マドゥロ氏とその取り巻きが使用するために米国から密輸されたとする航空機を押収した」と述べた。
司法省によると、この航空機は「ダッソー・ファルコン900EX」で、フロリダ州の企業から購入され、2023年4月に米国からカリブ海を経由してベネズエラに違法に輸出された。