法曹一家の元弁護士、妻子殺害で有罪評決 全米が注目

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被告は顧客や法律事務所、政府から大金をだまし取った経済犯罪でも罪に問われている/Grace Beahm Alford/The Post and Courier/AP

被告は顧客や法律事務所、政府から大金をだまし取った経済犯罪でも罪に問われている/Grace Beahm Alford/The Post and Courier/AP

マードー被告は先週2日間にわたる証言で殺害を全面的に否認した。一方で、事件発生直前にいた場所の説明で捜査員にうそをついていたことを認め、薬物中毒による偏執症が原因だったと説明した。さらに、顧客や法律事務所から数百万ドルを窃取し、それを隠そうとしたことも認めた。

小説よりも奇妙な本事件は全米の注目を集めた。マードー被告は1920~2006年に曽祖父から父親まで代々地元の検察官を務めた法曹一家の一員。自身は人身傷害弁護士になり、自分の名を冠した法律事務所のパートナーを務めていた。

だが、事件後に資金の横領疑惑などの問題が次々と発覚。まだトライアルに至っていない事案では、顧客や法律事務所、政府をだまし約900万ドル(約12億円)を詐取した経済犯罪など99の罪状に問われている。

弁護団は最終弁論で、捜査当局が妻の手に残された毛髪を調査せず、指紋や足跡、車輪の跡の採取も怠り、被害者の衣服についたDNAの鑑定もしなかったと指摘。「他に誰もいなければ、アレックスだろうという決め方をした」と批判した。

一方、検察側はマードー被告の動機は自身が犯した経済上の不正行為への捜査をそらし、遅らせることにあったと主張した。この点、弁護側は21年9月に被告が自殺を試みた件を挙げ、犯罪を暴露されそうなときの「自然な」行動は自殺であり、「最愛の人々を殺すというのは非合理的」と反論した。

検察はまた、殺害の手段は家族が所有していた2つの武器で、殺害の機会はマードー被告が事件現場にいたときだったと主張した。公開された動画からは、事件の直前に被告が現場にいたことが示されていた。

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