米上院、バイデン政権のESG投資規則を認めず 初の拒否権発動なるか

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米上院がバイデン政権のESG投資規則を無効にする決議案を採択した/Win McNamee/Getty Images

米上院がバイデン政権のESG投資規則を無効にする決議案を採択した/Win McNamee/Getty Images

(CNN) 米上院は1日、退職年金基金のマネジャーに対し投資先の選定時に気候変動の影響や環境・社会・企業統治(ESG)の要因を検討することを許容するバイデン政権の投資規則を無効にする決議案を採択した。

野党共和党はこの規則が米国民にリベラル派の政治課題を押しつけ、退職者の利益を損なう「ウォーク(目覚め)」の政策だと批判する。一方、民主党はこれは理念の問題ではなく、投資家を支援するものだと主張している。

労働省の規則を無効にする本決議案は下院を先月28日に通過し、今後はバイデン大統領の判断を待つ。政権はバイデン氏が拒否権を発動するとけん制しており、本政権で初の発動事案となる可能性がある。

拒否権を覆すには両院で3分の2以上の多数の賛成が必要となるが、実現の可能性は低い。

決議案は共和党のマイク・ブラウン上院議員(インディアナ州選出)が提出し、上院を50対46で通過した。民主党のジョー・マンチン議員(ウェストバージニア州選出)とジョン・テスター議員(モンタナ州選出)が賛成に回った。

共和党は議会審査法を利用して本決議案の審議を進めた。同法では議会の単純多数で行政府の規則を無効にでき、立法の際に上院で通常必要となる60票を確保する必要がない。

共和党のマコネル上院院内総務は28日の上院本会議で「バイデン政権は労働者が苦労してためた貯金を、左派の政治運動の追求に利用することをウォールストリートに許容しようとしている」と批判した。

一方、規則を支持する議員らは投資選定時にESGの検討が許容されるだけで義務付けられるものではないと主張。民主党のシューマー上院院内総務は「投資のリスクの最小化、リターンの最大化を可能にする最も大きな図式を見据えたもの」と述べ、自由市場を機能させるためのものだとの認識を示した。

バイデン政権も声明で、本規則はESG要因のみに基づいた投資の決定を義務付けるものでなく、リスクやリターンの分析でこうした要因を重視できることを示すものだと説明している。

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