ゼレンスキー氏の歴史的な米首都訪問、5つのポイント

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ゼレンスキー氏(左)とロシアのプーチン大統領/CNN

ゼレンスキー氏(左)とロシアのプーチン大統領/CNN

表向き、バイデン氏とゼレンスキー氏は盤石な連携を維持しているものの、水面下で緊張が走っているのは容易に察知できる。バイデン氏がウクライナ向けに実施した軍事支援は数十億ドルに上るが、それでもゼレンスキー氏は常に追加支援を求めてくる。

こうした状況にバイデン氏とそのチームは必ずしも納得していない。ただ他国の多くの首脳との場合と同様、直接対面することで相手への理解を深めようというのがこの日のバイデン氏の意図だったようだ。

戦争の「新たな段階」を象徴

バイデン氏が今週ゼレンスキー氏をワシントンに招待したのは、ウクライナでの戦争が「新たな段階」に突入したと確信しているからだ。訪米前に複数の当局者が明らかにした。冬季に入り、ロシアが民間インフラへの攻撃を続ける中、ゼレンスキー氏が一般向けに劇的なアピールを行って国際社会の支援を訴える機は熟したように思われた。

しかし、新たな段階に入ったのは戦場だけではない。世界中の指導者たちは現在、ロシアの侵攻がもたらした厳しい影響に直面している。エネルギーと食料の価格高騰はロシア政府に対する過酷な経済制裁が一因だが、欧米の政治家にとっての悩みの種であり続けている。

米下院で多数派となる構えの共和党は、ウクライナ支援に関するバイデン氏の要求を簡単には承認しない姿勢を明確にした。ただ資金の拠出が完全に途絶えるわけではないようで、議会は間もなく総額約500億ドル規模の追加の安全保障・経済支援を承認する見通しだ。

議員への演説で、ゼレンスキー氏はしきりに「両党の」議員に言及。自身の語る大義を超党派のものと位置付けようとしていた。

それでも一部の共和党議員はゼレンスキー氏の演説への出席を拒否し、巨額の資金が際限なく流出するとの主張から現状への抗議の意思を表明した。

こうした状況が背景にありながらも、バイデン氏は米国の支援が今後数カ月にわたって続くと明言した。ウクライナでの戦闘や、2023年も団結を維持する必要性についてゼレンスキー氏の口から直接聞くことは重要だとの認識も示した。

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