トランプ氏、証言を拒否 一族企業巡るNY州の民事調査で
(CNN) トランプ前米大統領は10日、ニューヨーク州司法省が進める一族企業を巡る民事調査で、予定されていた証言録取に出席し、憲法修正第5条の自己負罪拒否特権を行使して州司法長官の質問への回答を拒否した。
トランプ氏は声明で「弁護士の助言と先に挙げた理由から、米国憲法で全市民に与えられた権利と特権に従い、質問に答えることを拒否した」と述ベた。
州司法省は同氏の一族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」が虚偽の財務諸表を用いて資金の貸し手や保険会社、税当局を欺いたかどうかを3年以上前から調べている。
10日午前、同氏は自ら運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「米史上最大の魔女狩りが続いている! 私の偉大な企業と私自身は四方から攻撃を受けている」などと投稿した。
米ニューヨーク州司法長官のオフィスに向かうためトランプタワーを出たトランプ前大統領=10日/Julia Nikhinson/AP
情報筋がCNNに語ったところでは、トランプ氏の顧問の間では、以前も証言しており今回も応じるべきだとの意見と、法的リスクがあるため一切証言すべきではないとの意見で分かれていた。トランプ・オーガニゼーションはマンハッタン地区検事局から別件の刑事捜査も受けている。
情報筋によれば、証言を拒否した場合の政治的影響も話し合われたという。トランプ氏は近々2024年の大統領選出馬を公表すると見られているが、16年にはアイオワ州の選挙集会で「無実ならなぜ修正第5条を行使するのか」と発言していた。
同氏は10日、「今ならその理由がわかる」「自分の家族や企業や周りの人々が根拠のない政治的意図で行われる魔女狩りの標的にされれば、選択肢はない」と述べた。
ニューヨーク州検事局も声明でトランプ氏が修正第5条を行使したことを認め、捜査は継続すると述べた。
トランプ氏の長女イバンカ・トランプ氏は先週、長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は先月すでに証言を終えている。