米死刑囚、臓器提供を理由に執行延期請求 裁判所が別の理由で訴え認める

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ラミロ・ゴンザレス死刑囚/AP

ラミロ・ゴンザレス死刑囚/AP

(CNN) 殺人罪で死刑を言い渡された米テキサス州の死刑囚が、臓器を提供したいという理由で死刑執行を30日間猶予するよう、州知事に求めている。州控訴裁は11日、それとは別の理由で、死刑執行の猶予を認める判決を言い渡した。

死刑執行の猶予を求めているのは、2001年に女性を殺害した罪で死刑を言い渡されたラミロ・ゴンザレス死刑囚(39)。公判で検察側が提示した専門家の証言内容に虚偽があったと主張して、6月30日に訴えを起こした。

テキサス州控訴裁の判決では、この専門家の証言内容に虚偽があったことを認め、その証言が陪審評決に影響を及ぼした可能性があるとして、審理を下級審に差し戻した。残る2件の主張は退けられた。

ゴンザレス死刑囚の死刑執行は13日に予定されていた。

裁判所に訴えを起こす前日の6月29日、ゴンザレス死刑囚の弁護団はテキサス州のグレッグ・アボット知事に宛てた書簡で死刑執行の延期を求め、ゴンザレス死刑囚が自分の罪を償うために、腎臓の提供を希望していると伝えた。

弁護団が知事に宛てた今月11日の書簡によると、その後、腎臓の提供を受ける候補者が少なくとも2人見つかった。うち1人はゴンザレス死刑囚と同じ血液型で、4年前から透析を受け、命を救う腎臓移植を希望しているという。

弁護団は、臓器提供を受ける候補者のジュディ・フリスさんがアボット知事に宛てた手紙も同封した。この中でフリスさんは、「もしあなたがゴンザレスさんに腎臓を提供する機会を与えれば、それがどれほど貴重な贈り物になるかはいくら強調しても強調し切れません」と訴えている。

弁護団の書簡によると、テキサス州刑事司法局は、死刑執行が迫っていることを理由に、ゴンザレス死刑囚の臓器提供に反対しているという。

ゴンザレス死刑囚は当初、指導者との手紙のやり取りを通じて知り合ったメリーランド州のユダヤ教団体のメンバーに腎臓を提供したい意向だった。しかし血液型が一致しなかったことから、受け取る相手が誰かを知らないまま臓器を提供することを希望した。

しかし弁護団によると、テキサス州司法刑事局は、裁判所が命じた死刑執行の期日に影響を与える可能性があるなどの理由から、そうした形の臓器提供を認めていない。

ゴンザレス死刑囚に臓器提供を勧めたユダヤ教の指導者は、「彼は今も命を救いたいと思っている。だがテキサス州がそれを拒んでいる」とCNNに語った。

弁護団は州の恩赦委員会にも、ゴンザレス死刑囚の刑を終身刑とするよう勧告を求め、そうでなければ腎臓提供のために死刑執行を180日間延期するよう求めていた。

しかし同委員会は11日の採決でこの訴えを退け、減刑も180日の執行延期も認めなかった。

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