バイデン米政権掲げる核戦略見直し、中国の「ミサイル実験」報道でリスク拡大か

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英紙が報じた中国による極超音速ミサイルの打ち上げ実験の様子/Getty Images

英紙が報じた中国による極超音速ミサイルの打ち上げ実験の様子/Getty Images

(CNN) 中国が核弾頭を搭載可能な極超音速ミサイルの実験を行ったと報じられたのを受け、米国のバイデン大統領の核政策に対する批判が改めて勢いづいている。バイデン氏は核兵器の削減という野心的な目標を掲げているが、情報や国防の当局者らは中国の実験について同国の技術が格段に飛躍したことを示すものだと警告。米国に対する新たな脅威になりかねないと指摘している。

中国による打ち上げが公に報道されるなか、バイデン政権は核戦略見直しの最終段階に入っている。国家安全保障チームは一段と抑制的な政策を推し進め、核兵器の近代化や製造に向けた支出をさらに制限したい考えだ。問題に詳しい人物らによると、バイデン氏は核兵器の「先制不使用」の方針も検討しているという。

しかし、政権内にはこうした動きに警鐘を鳴らす向きもある。情報部門の当局者は上院情報委員会への非公式の説明で、経緯を注視し続けた今回の中国の実験について、米国に対する核の先制攻撃を行う能力が格段に進歩したことを裏付けるとの見方を示した。説明の内容に詳しい情報筋が明らかにした。

説明を行った上記の当局者は、現状で必ずしも中国が米国より優位にあるわけではないとしつつ、そのミサイル能力に関する特定の要素や稼働のさせ方には当局者らを驚かせるものがあったと述べた。

一方、米国防総省は21日、今年4月に続く形で極超音速兵器の実験に失敗したと発表した。

国防当局者によると中国の実験では、南極上空を飛行して米国を攻撃できることも示されたという。こうしたミサイルの軌道に対しては早期警戒を発動するためのシステムがなく、米国にとって長く懸念材料となっている。

ただ今回の実験をそこまで憂慮しない当局者や専門家もいる。挑発を目的としたものではあるが、現時点で中国が技術面で上回っているわけではなく、従って不安定化の要因にはならないというのが彼らの見方だ。

米ミドルベリー国際問題研究所の教授で核兵器の専門家であるジェフリー・ルイス氏は、「現在の私の助言は、当該のシステムに過剰反応してはならないということだ」「中国はすでに100発の核兵器で米国を狙える状況にある。私はその事実を受け入れている。核の抑止力とはそういうものだ」と語った。

CNN主催の対話集会で中国の実験について問われたバイデン氏は、米国民が中国とロシアについて、将来軍事力で米国を上回るのではないかと心配するべきではないと発言。本当の懸念は状況が意図せず激化し、悪循環に陥って制御不能になることだと示唆した。

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