北朝鮮が発射と主張の「極超音速ミサイル」、事実なら東アジア軍事情勢に変化も<下>
香港(CNN) 北朝鮮が9月28日に発射したと主張する「極超音速ミサイル」。翌朝メディアで大きく報じられたのはそのスピードだったが、ミサイルの専門家は朝鮮中央通信(KCNA)の記事にある不気味な表現に気が付いた。米ミドルベリー国際問題研究所の専門家、ジェフリー・ルイス氏はツイッターでこれを「小さな爆弾情報」と評している。
KCNAの記事は北朝鮮が「アンプル化されたミサイル燃料」を使ったと報道。ルイス氏によると、これはミサイルが野外に配備された後ではなく、工場で燃料が注入されたことを意味する。
「もし北朝鮮が工場でミサイルに燃料を注入するのであれば、軍の部隊は米空軍が自分たちを全力で殺害しようとする中、屋外で燃料注入に時間をかける必要はなくなる。北朝鮮にとって大きな一歩だ」(ルイス氏のツイート)
ソウルにある北韓大学院大のキム・ドンヨプ教授は、アンプル化された燃料はミサイルの配備時間を伸ばすことができると指摘する。
「北朝鮮は液体燃料を発射前に注入する方法の短所を克服しようとしているように見える」(キム教授)。北朝鮮のミサイルでは液体燃料が主要な燃料となっている。
米軍当局者は28日の発射について、「米軍の要員や領土、同盟国に差し迫った脅威」は突きつけていないものの、「(北朝鮮の)違法な兵器プログラムの情勢を不安定化させる影響力」を浮き彫りにしたとの見方を示している。
北朝鮮は弾道ミサイルや核兵器の実験を国際法で禁止されており、以前の実験は国際的な非難や国連安保理制裁の対象となった。