コロナ死女性の遺族、「ワクチン接種者がもっと多ければ防げた可能性」 米紙で訴え

ワクチン接種完了から約半年後にコロナ感染症で死亡したキャンディス・エアーズさん/Ayers Family

ワクチン接種完了から約半年後にコロナ感染症で死亡したキャンディス・エアーズさん/Ayers Family

(CNN) 米イリノイ州に住むキャンディス・エアーズさんとテリー・エアーズさんが2回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受けたのは、3月上旬のことだった。その日は家族全員にとって希望と興奮に満ちた1日となった。

息子のマーク・エアーズさんは、「私は両親を2回目の接種に連れて行った。みんなとても興奮していた」と振り返る。「私たち一家は科学やマスク、ワクチンを信じている。通常の生活に戻る準備はできていた」

しかしその6カ月後、母親のキャンディスさんは夫と一緒にミシシッピ州に出かけた後、帰らぬ人となった。死亡証明書には死因は新型コロナ感染症と記載されている。

地元紙ステイト・ジャーナル・レジスターに掲載された死亡広告には、以下のように記されている。

「キャンディス・ケイ(クルーガー)・エアーズ。66歳。スプリングフィールド在住。2021年9月3日、地元のセント・ジョンズ病院で死去。これより前、新型コロナウイルスに感染した453万1799人以上が亡くなっていた。彼女はワクチン接種済みだったが、接種しないことを選んだ人から感染した。それが彼女の命を奪った」

453万1799人という数字は世界全体での新型コロナ死者数に言及したものだ。

マークさんは、母親はワクチン接種率が全米最低水準のミシシッピ州を訪れた際に感染したと考えている。州保健当局によると、ミシシッピ州で9月半ばまでに接種を完了した人は42%にとどまる。

「こんなことになるのは避けられた可能性がある」とマークさん。「思いやりある行動を少し取れば、感染は防げただろう」「ワクチンを接種して、他人のためにマスクを着用して……。それをしていれば、母は今日ここにいたはずだ」と訴える。

キャンディスさんには基礎疾患があったため、家族は遠出には消極的だった。

「母は重い関節リウマチを抱えていた。免疫不全状態だったので、私たちはいつも彼女が感染するのを心配していた」とマークさん。「両親が旅行すべきかどうか、家族全員で悩んだ」

「ただ、状況は良いように見えたし、ワクチン接種を完了した両親がミシシッピ州に行くとは考えていなかった。デルタ株はまだ広がり始めたばかりで、ブレークスルー感染も当時はまれだった。最悪の悪夢が現実になってしまった」

米疾病対策センター(CDC)によると、ブレークスルー感染とはワクチン接種完了から少なくとも14日経過した人が新型コロナ陽性と判定される現象を指す。症状が出る人もいれば全く出ない人もいるが、これまでの研究では、ワクチン接種後に感染した人は通常、症状がより軽いことが示されている。

今月発表されたCDCの研究によると、4月上旬から7月中旬(デルタ株はこの時期に支配的になった)にかけての時期では、新型コロナの全患者のうち8%、入院患者の8%、死者の9%が接種完了者だった。

キャンディスさんは高齢で基礎疾患があったため、特にリスクが高かった。CDCのデータによると、入院したブレークスルー感染者の約70%、死亡したブレークスルー感染者の約87%は65歳以上とされる。

エアーズさん一家はキャンディスさんの死を受け入れるのに苦労している。他の人にワクチン接種やマスク着用を促したかったと、マークさん。死亡広告で世界の新型コロナ死者数を共有したのには、読者に立ち止まって考えてもらう狙いがあったという。

死亡広告に対しては賛否両方の反応が寄せられた。

「友人や見知らぬ人から死亡広告に関する考えを聞けたのは素晴らしかった」とマークさんは語り、「私たちの話がきっかけで、ワクチンを接種する気になったと言ってくれる人もいた」と明かす。

「もちろん否定的なコメントもあるが、半数以上は前向きだった」

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