英軍の女性将校、単独無支援で南極点到達 有色人種女性で世界初

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単独無支援での南極点到達に成功したプリート・チャンディさん/courtesy Preet Chandi

単独無支援での南極点到達に成功したプリート・チャンディさん/courtesy Preet Chandi

(CNN) 英国出身のシーク教徒の陸軍将校プリート・チャンディさん(32)が、有色人種の女性として初めて、単独での南極点到達に成功した。

昨年11月から無支援単独でのスキーによる南極点到達を目指していたチャンディさんは、1月3日、40日間で総距離700マイル(約1120キロ)の南極単独行を終えたと発表した。

旅を終えたチャンディさんは、自身のブログで「今は感無量だ」と感想を述べた。

チャンディさんは昨年11月、出発前に行ったCNNとのインタビューで、他の人々がチャンディさんの冒険に刺激を受け、文化的規範にとらわれず、自分の限界に挑戦してくれることを願っている、と語っていた。

チャンディさんの南極遠征は昨年11月7日に始まった。南米チリに渡った後、南極大陸のヘラクレス入江から冒険を開始した。チャンディさんは道中、装備や約45日分の燃料や食料を積んだ重さ90キロのそりを引きながら歩いた。

チャンディさんは、この過酷な冒険の準備に2年半を費やした。フランスのアルプス山脈でクレバス(氷の亀裂)から脱出する訓練を受け、アイスランドのラングヨークトル氷河を徒歩で横断し、グリーンランドの氷床で27日間耐え、さらに英国では雪上でそりを引くための訓練として、重いタイヤを引きながら進むトレーニングを数カ月間続けた。

南極探検中、チャンディさんはサポートチームに毎日連絡を取り、自身の所在を伝えていた。それが外界と接触する唯一の機会だった。

サポートチームは、チャンディさんのブログやインスタグラムに最新情報を投稿していた。これらの投稿からは、病気、孤独、厳しい寒さと戦いながら南極点を目指すチャンディさんの挑戦の過酷さがうかがえた。

これまでスキーで南極点に到達した女性はチャンディさんだけではない。1994年に女性として初めて単独無支援でスキーによる南極点到達を達成したリブ・アーネセン氏など、これまで複数の女性がスキーで南極点に到達しているが、チャンディさんは有色人種の女性で単独無支援での南極点到達に成功したのは自身が世界初だと考えている。

南極から戻ったチャンディさんは、今回の南極探検のために調達した資金の半分を使って女性のための「冒険助成金」の創設を計画している。年齢、経歴を問わず、女性なら誰でも対象になるという。

「どんな冒険でも(助成金の)対象だ。なんらかの限界に挑戦するために行いたい冒険なら何でもいい。極地探検である必要もない。そして、この取り組みが今後何年にもわたって続くことを心から願っている」(チャンディさん)

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