中国、自国製ワクチンの接種で入国ビザ発給に便宜

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インドネシアのジョグジャカルタで中国製ワクチンの接種の準備をする医療従事者/Ulet Ifansasti/Getty Images

インドネシアのジョグジャカルタで中国製ワクチンの接種の準備をする医療従事者/Ulet Ifansasti/Getty Images

香港(CNN) 中国外務省は20日までに、新型コロナウイルスの中国製ワクチンを接種した場合、中国への入国に必要なビザ(査証)発給を容易にするとの新たな方針を明らかにした。

世界各地の少なくとも23の中国大使館が過去1週間内にこの措置を発表。中国製ワクチンの利用を承認していない米国や英国も含まれた。

中国外務省は秩序ある方法での国際的な往来を始動させるための措置と強調。ただ、接種を終え中国入りした渡航者も同国が定める隔離措置を受けるとした。

今回の査証発給に絡む便宜供与については、世界保健機関(WHO)が承認しより高い有効性を持つとされるワクチンより、自国製を優先的に扱うことへの懸念が出ている。他国に中国製ワクチンの利用承認を強要する手段との批判もある。

中国製ワクチンを許可していない諸国の住民の選択肢を問う指摘もある。「実質的に中国を訪れたかったら中国のワクチン接種を」要求しているのと同然で、「問題あるワクチン外交」との受け止め方もある。

WHOはこれまで中国製ワクチンを一切承認していない。また、これらワクチンは最終治験の結果を全面的に開示しておらず、安全性にも疑念が生じている。既に公開などされているデータによると、中国製ワクチンは他のワクチンと比べ効果が少ない可能性が示唆されてもいる。

今回打ち出した措置については、対中牽制(けんせい)の色彩が強い日米豪印の枠組み「クアッド」が最近宣言したインド太平洋地域でのワクチン配布計画を意識したものとの見方もある。ブリンケン米国務長官は中国製ワクチンは「ひも付き」とも酷評していた。

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