EU医薬品当局、アストラゼネカのワクチンに安全宣言
ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は18日、血栓の報告を受けてEU各国が相次ぎ接種を中断していた英オックスフォード大学とアストラゼネカの共同開発ワクチンについて、安全に使用できるとの見解を発表した。
EMAのエマー・クックEMA長官は「明らかな科学的結論に達した。これは安全かつ効果的なワクチンだ」と述べ、EMAの見解では同ワクチンが血栓を引き起こすとは判断しなかったと説明。ただし数百万回の投与で7例が報告された稀(まれ)なケースの血液凝固障害との関係を完全に排除することはできなかったとした。
それでも同ワクチン使用のメリットはリスクを上回るとクック長官は強調し、「同ワクチンは、血栓塞栓(そくせん)症や血栓の全般的なリスク増大には関係しないとの結論に達した」としている。
アストラゼネカのワクチンをめぐっては、欧州各地で接種後に血栓ができた患者の症例が報告され、十数カ国が使用を中断していた。
ほとんどの国はEMAのゴーサインを待って接種を再開する意向だが、一時的な使用中止の影響で、同ワクチンに対する不安は残る。
「このワクチンは、市民を新型コロナウイルスから守るための安全かつ効果的な選択肢だ」「臨床試験では少なくとも60%の有効性と、新型コロナウイルス疾患を防ぐ効果が実証されている。現実に、実世界の証拠はそれ以上の効果があることを示唆している」。クック長官は記者会見でそう語った。
EMAは、今後の調査に役立てるため、血栓報告に関して周知を図ることを勧告するとした。一方で、そうした報告は稀であり、EUでは700万人以上がこのワクチンの接種を受けたと指摘している。