米、学校のコロナ検査拡大に1兆円 安全な対面授業再開を支援
(CNN) 米保健福祉省は17日、全米の学校で新型コロナウイルスのサーベイランス(調査、監視)検査の実施を支援するため、各州向けに100億ドル(約1兆900億円)の予算を確保したと発表した。対象となるのは幼稚園年長から高校3年生まで。バイデン政権は対面授業の安全な再開を公約に掲げている。
疾病対策センター(CDC)も学校など共同施設におけるサーベイランス検査の適切な利用について新たな指針を出す。
同省によると、先日成立した1兆9000億ドル(約200兆円)に及ぶコロナ救済法の一環でこの資金拠出が認められた。これにより、学校がウイルスに接触した教師や学生、職員の検査を行ったり、無症状の感染者を特定したりする取り組みを支援できる。
ホワイトハウスのキャロル・ジョンソン新型コロナ検査調整官は17日、同資金により学校や教師、学生への保護の厚さが増すと説明。CDCが州や地元の当局者に対し、検査プログラム実施に向けた技術的支援の提供で協力するだろうとも述べた。
バイデン大統領は就任100日以内に大半の学校で対面授業を再開させるとの目標を掲げる。今月初めには、各州に対して教師や職員への接種を優先し、3月末までに少なくとも1回の接種を行うよう要請。連邦政府から薬局へのワクチン供給を介した教師への優先接種も進めている。
この1カ月間、学校再開に向けた取り組みは散発的で、発信力のつまづきや共和党からの迅速な対応への圧力、教職員組合や学区間での争いが見られた。
だが、今回の100億ドルの資金確保は教職員組合から評価する声が続いた。ニューヨーク州の教職員組合のトップは「安全な再開に向けてバイデン政権が何をするのか、明確なシグナルを送った」と称賛。全米教職員組合も学校の検査システムの実現を後押しするものだと期待を示した。