米アップル、トランプ関税で1300億円のコスト増の可能性

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米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)。「トランプ関税」が約9億ドル(約1300億円)のコスト増加につながる可能性があると明らかにした/Jeff Chiu/AP

米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)。「トランプ関税」が約9億ドル(約1300億円)のコスト増加につながる可能性があると明らかにした/Jeff Chiu/AP

(CNN) 米アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏は、ドナルド・トランプ米大統領が進める関税政策をめぐり、4~6月期に約9億ドル(約1300億円)の追加コストを招く可能性があると明らかにした。クック氏は米国向け「iPhone(アイフォーン)」の生産拠点を中国からインドへ移す考えも明らかにした。

クック氏は1日の決算説明会で、現在の世界的な関税率や政策、適用状況が四半期中に変わらず、新たな関税が課されないと仮定した場合、コストが9億ドル上乗せされると見込んでいるとの見通しを示した。iPhoneの生産はすでに一部をインドに切り替えているが、米国で販売されるiPhoneの大半はインド製になると語った。

米国が中国製品に課す最大145%もの高関税の影響で、アップルが中国一極集中のサプライチェーン(供給網)からの脱却を加速する構図が鮮明になった。

ウェドブッシュ証券によれば、収益の柱であるiPhoneの約90%は中国で生産されている。

スマートフォンなど半導体を含む電子機器は「相互関税」の対象外となっているため、iPhoneは最も高い関税を免れているが、中国製品には最低でも20%の関税がかかるとクック氏は説明した。

クック氏は、サプライチェーンには常にリスクがあるとし、「すべてを1カ所に集約するのはリスクが高すぎると学んだ」と語った。

クック氏によれば、米国以外へ向けた製品は引き続き中国生産が中心となる。iPadやMac、Apple Watchなどの米国向け製品は近くベトナム製が大半を占めるとしている。

逆風下でも、1~3月期の業績は堅調だった。売上高は前年同期比5%増の954億ドルで市場予測を上回った。iPhone部門は2%増の468億ドルだった。一方、中国本土と香港、台湾を含む「大中華圏」の売上高は2%減の160億ドルにとどまった。地元メーカーとの競争激化が背景とみられる。

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