トルコ製ドローン「バイラクタルTB2」、ウクライナの抵抗の象徴に

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展示会でデモ飛行を行うトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」/Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency/Getty Images

展示会でデモ飛行を行うトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」/Muhammed Enes Yildirim/Anadolu Agency/Getty Images

「(バイラクタルTB2は)抵抗のシンボルの一つであり、人々に希望を与えていると思う」。マサチューセッツ工科大学(MIT)出の技術者であるバイラクタル氏は先週、同社のドローン生産施設を取材するまれな機会を得たCNNにこう語った。

「ウクライナ人は違法な占領に抵抗して国土を守っている。独立を望むなら、立ち上がって抵抗できるようにしなくてはならない。これこそ勇敢なウクライナ国民と指導者が行っていることだ。それと同時に、技術や自前の防衛能力も必要になる。ただ、いまは人々の命が危険にさらされている状況であり、それを技術と比べるようなことはしたくない」(バイラクタル氏)

社内にはトルコ初の無人戦闘機である「クズルエルマ」(赤いリンゴ)も展示されていた。同機は先日生産ラインに乗ったばかりで、機体の名称は理想、すなわち到達したいと思う目標を象徴するトルコ神話の表現にちなむ。バイラクタル氏によると、飛行開始は来年になる予定だ。

業界の専門家によると、費用などの要因がこれらのドローンを魅力的な存在にしている。

トルコ経済外交政策センター(EDAM)の国防研究責任者、カン・カサポグル博士は「バイラクタルTB2は価格と戦闘効率のバランスがほぼ完璧で、単価も手頃だ」と指摘する。

同社は価格に関する情報を公表していない。

カサボグル氏によると、このドローンは武器取引で重要な基準となる実戦経験を満たしているという。

バイカル・テクノロジーは少なくとも19カ国と契約しており、その大半は過去1年半のうちに締結された。買い手の一つがポーランドで、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の加盟国でこのUAVを注文した唯一の国となった。

トルコの国営通信社によると、同国の防衛・航空宇宙産業は昨年、30億ドル(約3770億ドル)以上の輸出を記録した。

バイカルの最高経営責任者(CEO)でセルチュク氏の弟であるハルク・バイラクタル氏は1月、アナトリア通信に対し、「トルコと戦略的関係にある国への防衛・航空輸出を強化することが重要だ。防衛輸出は経済的利益をもたらすだけでなく、輸出先の国と戦略的関係を築くための適切な基礎にもなる」と語った。

セルチュク・バイラクタル氏にとって、これは単なる家業や生涯をかけた工学の追究にとどまらず、国の独立と技術的自立を確保するための取り組みでもある。

「私が20代だったとき、サッカーやバクラバ(トルコの伝統菓子)、ケバブでトルコが世界一になると言う人はいても、世界的に有名なニッチ技術を開発するとは誰も予想できなかった」(同氏)

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