虐待の実態、絵文字で伝えて 子ども向けの新アプリ
ニューヨーク(CNNMoney) 保護者などに虐待されている子どもたちに絵文字で窮状を伝えてもらおうと、スウェーデンの非営利団体がアップルの「iPhone」向けアプリとキーボードを開発した。
新アプリ「Abused Emojis」を開発したのは、助けを求める子どもたちからの相談を電話やチャットやメールで受け付けているスウェーデンの非営利団体「ブリス」。同団体に相談を寄せる子どもたちの状況を反映させ、もっと自由に実情を打ち明けてほしいという願いを込めた。
アプリで提供する15の絵文字は標準の絵文字に手を加え、身体的、物理的虐待の様子を描いている。
例えば、動揺を表す見ざる聞かざるのサル、両手首に赤い筋が入ったリストカット、あざができたり絆創膏(ばんそうこう)が張ってあったりする顔の絵文字などが用意されている。
文字コードの標準規格「ユニコード」の運営団体代表は、こうした取り組みを価値ある活動として評価した。
ブリスの担当者は、ユニコード規格として採用されれば感情の幅が広がると歓迎の意向を示したが、アプリ本来の目的はそこにはないと強調した。
iPhone向けのiOSアプリはアップルの公式アプリストアを通じて1週間ほど前から提供が開始され、これまでのダウンロード数は数万回に上る。スウェーデンではiOS向けの無料アプリランキングで3位に浮上しているという。
ブリスによると、同アプリではユーザーの個人情報の収集や保存などは行っていない。