アップルの「iTV」は日の目見ず、計画打ち切り
ニューヨーク(CNNMoney) 米アップルから登場するのではないかとうわさされていた「iTV」は、1年前にプロジェクトが事実上打ち切られていたことが20日までに分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。
オンデマンド番組を視聴できるオールインワン型超高精細テレビの開発をアップルが進めているといううわさは、ウォルター・アイザックソン氏が2011年に出版したアップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏の伝記の中で言及したことをきっかけに広まった。
生前のジョブズ氏はアイザックソン氏のインタビューに対し、「ものすごく使いやすい一体型のテレビを創りたい」「これは手持ちのすべての端末やiCloudと同期できて、ユーザーインターフェースはとにかくシンプル。ついに解けたんだ」と語っていた。
投資家のカール・アイカーン氏も数日前、アップルが来年にも55型と65型のテレビの製造に乗り出すという予想を披露していた。
しかしWSJの報道によれば、アップルは独自のテレビを売り出したとしても十分な採算が見込めないと判断した。
ビデオ電話用の顔認識カメラ、レーザーで照らされた透明な画面、超高精細の「4K」性能などの搭載も検討された。しかし競争が激しく低価格化が進むテレビ市場に危険を冒してまで参入するほどの魅力には欠けると判断したという。
TVプロジェクトは正式に打ち切られてはいないものの、現在は担当者がいない状況だとWSJは伝えている。
アップルの広報からコメントは得られなかった。