米俳優ケビン・スペイシー、セクハラ疑惑の訴訟で勝利

（ＣＮＮ） 米ニューヨークの連邦地裁の陪審は２０日、米俳優ケビン・スペイシー氏に対する訴訟で原告側の訴えを退けた。同氏に対しては俳優のアンソニー・ラップ氏が、１９８６年にパーティーで同席した際、性的な関係を求められたとの訴えを起こしていた。

陪審は約１時間の評議の後、セクハラに関するラップ氏の立証は不十分だと結論付けた。

判事が正式に訴えを退けると、法廷でスペイシー氏の両隣に座った弁護士２人は、同氏の背中に手を当てて評決が読み上げられるのを聞いた。

このうちジェニファー・ケラー弁護士は、「虚偽の訴えを見抜いた陪審に大変感謝している」とコメント。スペイシー氏は、報道陣に言葉を発することなく法廷を後にした。

裁判所は先ごろ、暴行や精神的苦痛の付与に関する原告の訴えは却下しており、違法な接触があったかの点のみが陪審の評議対象となった。原告は被告にベッドにのせられた後、同意なしに臀部（でんぶ）をつかまれたり、被告の股間を押しつけられたりしたと主張していた。

ＣＮＮの法律アナリスト、ジョーイ・ジャクソン氏は評決について、スペイシー氏にとって大きな勝利だとの見方を示した。その上で、陪審は著名人に対するセクハラ告発運動の高まりに同調することなく、法廷で示された事実に基づいて訴えを検証したと指摘した。

スペイシー氏は今回の裁判を含めて、同氏に対する性的虐待の訴え２件で勝利した。だが、英国での刑事訴追を含む他の訴訟は続いている。