長い歴史誇る「サンタ学校」に密着 米ミシガン州

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おもちゃ売り場で商品を眺めるサンタ・スクールの受講生

おもちゃ売り場で商品を眺めるサンタ・スクールの受講生

次はミッドランドの「ザ・Hホテル」を訪れた。受付で案内されたのは一見何の変哲もない2階の会議室だが、入り口では小妖精が名札を配布し、入室するとサンタが一人ひとり自己紹介していた。全米各地から男女が集まっており、国境を越えたカナダ・オンタリオからの参加者もいる。

ホリー氏によると、このうち半数が新入学生。残りは旧友との再会を心待ちにして来た卒業生だという。6回目の受講だというキャリー・デービスさんは、「毎年、何か新しい学びがある」と話す。引退後の生活の資金の足しにしたいプロのサンタがいる一方、地元の教会や学校での行事で代々サンタに扮してきた生家の伝統を引き継いでいる人も通う。いつも子どもたちにサンタと間違われるからという理由で来る人も。

室内の全員がいかにもサンタという格好をしているわけではない。トム・バレント氏のように、妻が嫌がるという理由で口ひげを生やさない人や、黒人のサンタもいる。

一方、チェーンスモーカーであったり、トム氏の再三の注意にもかかわらず異性に近づく悪いサンタもいないわけではない。とはいえ、大多数はほとんど聖人のようだ。

トム氏が授業で、「なぜ人類はサンタを作ったのか」と問いかけると、「希望」「愛」「慈悲」といった声が帰ってきた。サンタになるにはやはり、大きな責任が伴う。社会は数百年にわたり、クリスマスの魔法を作り出すためサンタに頼ってきた。

サンタとしては、子どもにサンタの存在を信じさせたり、忙しい大人に一息いれてクリスマスの本質を思い出してもらわなければならない。真夜中にトナカイ9頭を操って屋根の上に停車し、プレゼントを持って煙突をすべり降りる必要もある。家の犬を起こさないようにして去るのも大事だ。バレント氏によれば、これらすべてをこなすためには完璧を期さなければならない。

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