トランプ氏、「甘やかされた」日本に警告 米国と貿易協定結べない可能性示唆

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トランプ氏が日本との間の貿易協定締結に疑念を表明した/Mehmet Eser/AFP/Getty Images

トランプ氏が日本との間の貿易協定締結に疑念を表明した/Mehmet Eser/AFP/Getty Images

(CNN) トランプ米大統領が、日本との貿易協定締結に疑問を投げかけた。前日には日本の対米輸出品に高関税をかけると脅し、日本が米国産の米を購入しないと主張していた。

トランプ氏は1日、大統領専用機エアフォースワンで記者団の取材に答え「我々は日本と取引してきた。取引が成立するかどうかは確信がなく、疑いを持っている」と語った。その上で日本や他の国々は「非常に甘やかされている」と指摘。30~40年にわたり米国を食い物にし続けてきたため、取引をまとめるのは至難の業との見方を示した。

トランプ氏が掲げる「相互関税」を90日間停止するとした措置は、7月9日に期限が迫る。こうした中、日本をはじめとする米国の貿易相手国は取引をまとめ、トランプ氏の気持ちを和らげたいと考えている。同氏は4月2日に世界的な関税攻勢を打ち出し、日本の対米輸出品に24%の関税を課したが、その後3カ月間の課税停止措置が講じられた。

トランプ氏の発言は、岩屋毅外相がオーストラリア、インドの外相とともにワシントンを訪れ、日米豪印の戦略対話「QUAD(クアッド)」の会談を行った際に飛び出した。また先週には赤沢亮正経済再生担当相も、通商協議のためワシントンへの7度目の訪問を行っていた。日本は東アジアにおける米国の重要な貿易相手国であり、安全保障上の同盟国でもあるが、両国の関係はトランプ氏の積極的な関税措置によって試練に直面している。

トランプ氏は1日、関税の一時停止を9日以降に延長するつもりはないと明らかにした。

また前日のSNSへの投稿に続いて、日本が米国から米を買っていないと非難。「彼らは米をとても必要としているのに、米を受け取ろうとしない」と述べた。

トランプ氏の主張に反し、米国勢調査局の貿易統計によれば、日本は昨年1年間で2億9800万ドル(約429億円)相当、今年1月から4月にかけては1億1400万ドル相当の米を米国から輸入している。

さらにトランプ氏は、日本人が米国車を買わないとも指摘。「我々は10年間、彼らに1台も車を与えなかった」と述べたが、日本自動車輸入組合によると昨年日本は1万6707台の米国車を輸入した。

トランプ氏は、対日関税の税率はこれから確定する公算が大きいと示唆。日本は「30%か35%か、我々が決める数字を支払うことになる」との見方を示した。

青木一彦官房副長官は2日、日米間の貿易協議は継続していると説明。日本政府はトランプ氏の主張を承知しているとしつつ、それについてのコメントは差し控えると述べた。

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