強化進まぬ中国サッカー代表、まずは競技人口の増加から
批判の矛先は代表チームだけでなく国内リーグにも向けられている。中国サッカーのプロ1部スーパーリーグ(CSL)は人気、実力ともに欧州のトップリーグに劣っており、ここでもやはり外国人頼みが目立つ。
最近では、八百長スキャンダルで傷ついたCSLの信頼を回復させるため、元イングランド代表主将のデービッド・ベッカム氏を広報大使に起用したばかりだ。
外国人頼みではなく、自国の選手を育成する動きも出始めた。近年話題となったのは、中国のサッカークラブとして最も成功を収めている広州恒大のサッカースクールの開設だ。
不動産王として知られ、広州恒大のオーナーでもある許家印(シュージャーイン)氏が12年、若い才能を育成するために設立した。その規模は世界最大とされている。
ただ、中国が再びW杯に出場するまでの道のりは依然として遠そうだ。壁となっているのはサッカー人口の少なさ。
「サッカーの成功は、競技人口と密接に関連している」。こう指摘するのは、英国出身で中国最大級のアマチュア・サッカークラブを運営するローワン・シモンズ氏だ。
シモンズ氏は20年以上にわたり中国で草の根のサッカー普及活動に尽力してきた。同氏によると、統計的には20万人に1人の割合で名選手が生まれるはずだという。