強化進まぬ中国サッカー代表、まずは競技人口の増加から
中国サッカー協会(CFA)の発表では、中国の子どものサッカー人口は現在、7000人から5万人程度とされており、400万人近い人数を誇る英国と比べると、まるで少ない。
同氏の計算では、将来的にはワールドクラスの選手の4人に1人が中国人となっても不思議ではないとのことだが、今のところ巨大な人口をサッカーに生かし切れていないのが現状だ。中国人のサッカー観戦熱は高いが、実際にプレーするとなると躊躇(ちゅうちょ)する場合が多い。
かつて米国でプレーし、アジア各国でサッカー指導を行うトム・バイヤー氏も、足元のサッカー人口を増やすことの重要性を説く。
同氏は今、中国学校サッカー事務局の技術顧問および草の根大使として、中国全土の幼稚園を回る計画を進めている。日本各地で子どもたちにサッカーを指導し、日本サッカーのレベルを押し上げた実績が買われた。
バイヤー氏はアジア全体の問題として、サッカー文化が十分に根付いていないことを指摘する。特に中国では、サッカーを子どもの勉強の息抜き程度にみなす親が多い。
同氏は、外国から選手やコーチを招くのではなく、子どもがサッカーに触れる機会を増やすことこそ強化の近道だと指摘。「単にプロ選手になるためにスポーツをするのではなく、ライフスタイルの一環としてスポーツを教えることを目標にしている」と話す。
子どもへの普及を重視する点では、シモンズ氏も同様だ。