超加工食品由来のカロリー、成人も子どもも半分以上 米CDC報告書

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米国の子どもの摂取するカロリーの約62%が超加工食品からであることがわかった/beats3/iStockphoto/Getty Images

米国の子どもの摂取するカロリーの約62%が超加工食品からであることがわかった/beats3/iStockphoto/Getty Images

(CNN) 米国人の食生活の大半は、健康への悪影響が指摘されることの多い超加工食品のカロリーで構成されており、これは、米保健福祉省のロバート・ケネディ・ジュニア長官が掲げる「米国を再び健康にする」という政策の重要な標的となっている。

米疾病対策センター(CDC)が新たに公表した報告書によれば、近年は若干の改善がみられるものの、超加工食品は依然として米国の子どもと成人の摂取カロリーの半分以上を占めている。

報告書によれば、2021年8月から23年8月までの間に米国の成人が摂取したカロリーの約53%は超加工食品由来だった。子どもではその割合はさらに高く、平均で約62%を超加工食品から摂取していた。これは、超加工食品が成人の56%、子どもの約66%を占めていた17~18年と比較すると減少している。

超加工食品は一般的に、カロリーや添加糖類、ナトリウム、飽和脂肪酸が多く、食物繊維が少ない。体重増加や肥満をはじめ、がんや心血管疾患、2型糖尿病、うつ病などの慢性疾患の発症との関連が示唆されている。こうした食品は寿命を縮める可能性さえある。

健康推進団体「エンバイロメンタル・ワーキング・グループ」のターシャ・ストイバー博士は「超加工食品の摂取に健康上の利点はない」と述べた。

専門家によれば、超加工食品は非常においしく、味は濃厚で、少量で多くのカロリーを含んでいる傾向があることから、カロリーがすぐに蓄積される可能性がある。

ストイバー氏は「超加工食品を一切口にしないというのは非現実的だ」と述べ、ケーキやアイスクリームが出てくるお祝い事や、食べ物を楽しむことの一般的な価値に言及した。「しかし、食生活をできるだけ自然食品に移行できれば、われわれにとってより良いものとなるだろう」

専門家によれば、人々は手に入るものを食べる傾向にある。米国の食料供給の最大70%は超加工食品で、一から料理を作るよりも安価な場合が多い。

報告書によれば、最も裕福な成人の食生活では、超加工食品由来のカロリーの割合は世帯収入の低い成人の食生活と比較して、大幅に低いことがわかった。だが、子どもの間では世帯収入による差は、それほど大きくなかった。

トランプ政権の「米国を再び健康に(MAHA)」委員会が5月に発表した子どもの健康に関する報告書は、超加工食品が「子どもの慢性疾患の蔓延(まんえん)」の主な要因だと指摘した。報告書には誤りも多く、実際には存在していない研究を引用することもあったが、専門家は、子どもが超加工食品の悪影響に特に脆弱(ぜいじゃく)であることに同意している。

「幼いころは、その後の人生を通して維持される可能性のある食習慣が形成される時期だ。だから、それはその後の人生のあらゆる段階の基礎となる非常に重要な発達時期だ」とストイバー氏。「もし、それが習慣になっていると、それらの食品を食べ続ける可能性がある。その結果、短期的な暴露だけでなく、長期的な暴露につながる」

また、これらの食品の広告は、子どもたちをターゲットにしていることも多いという。

ハンバーガーやその他のサンドイッチは、子どもと大人の両方において、超加工食品からのカロリー摂取量として最も多く、次が、甘いベーカリー製品であることが分かった。CDCの報告書によれば、これらの二つの食品を合わせると平均的な米国人の食事で摂取されるカロリーの約7分の1を占める。

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