長年EUに懐疑的だったデンマークが親EUに転換、きっかけはトランプ氏
(CNN) デンマークが欧州連合(EU)理事会の議長国を引き継ぐ中、デンマーク国民は過去20年間で最も強く親EUの姿勢を示している。この国民感情の変化は、少なくとも部分的には、トランプ米大統領の影響によるものと考えられる。
デンマークの日刊紙「ベルリングスケ」は今年3月、驚くべき調査結果を発表した。それによると、現在、デンマーク人の41%が米国を脅威と見なしているという。また「デンマークは安全保障の面で米国よりもEUにより依存すべきだ」との問いに回答者の92%が「賛成」または「おおむね賛成」と回答した。
しかし、最近の米・デンマーク両政府の緊張関係を考えれば、この統計結果も驚くべきことではないのかもしれない。
急速に薄れつつあるトランプ氏への信頼
デンマークのマリー・ビャレ欧州問題担当相はCNNとのインタビューで、第2次トランプ政権の影響で、デンマーク人の米国および欧州連合に対する見方が変わったとの考えを示した。
またビャレ氏は、デンマークが長年の同盟国である米国に対し、失望感を抱いていることをはっきりと示した。
ビャレ氏は、デンマークとしては引き続き米国との強固な関係を望んでいるとしながらも、「しかし、米国がより内向きになり(中略)関税で我々に脅しをかけ、欧州や我々の表現の自由など、さまざまなことを批判してくる現状では、当然ながら我々自身が強くならなければならない」と述べた。
またビャレ氏は、両国の歴史的なつながりや、両国がこれまで共有してきた経験にも言及し、(両国の関係に変化が生じたことに対し)、怒りとまではいかなくとも、ある種のいらだちを示した。
「これまで米国とデンマークは、紙一枚入る隙もないほど緊密な関係を築いていた。我々は常に米国を支えてきた。イラクやアフガニスタンの戦争にも兵士を派遣した(中略)それにもかかわらず、良き同盟国ではないと批判されれば、当然、我々の意見にも影響する」(ビャレ氏)