スコットランド女王メアリーの失われた書簡を発見、暗号解読

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スコットランド女王メアリーの書簡に用いられた暗号を研究者らが解読した/ VCG Wilson/Corbis/Getty Images

スコットランド女王メアリーの書簡に用いられた暗号を研究者らが解読した/ VCG Wilson/Corbis/Getty Images

(CNN) 3人からなる暗号解読者のチームが、スコットランド女王メアリー・スチュアートによって書かれた貴重な書簡を発見し、その暗号を読み解いた。

57通の秘密書簡は1578年~84年にメアリーからフランスの駐イングランド大使に宛てられたもので、複雑な暗号で記されている。1587年2月8日のメアリー処刑から436年後の発見となる。

書簡の大半はパリのフランス国立図書館に保管されていた。書簡を含む文書は16世紀前半のものと分類され、イタリアに関係する文書と考えられていた。

暗号解読に当たったのは、フランス出身のコンピューター科学者で暗号学者でもあるジョージ・ラスリー氏、ドイツのピアニストで音楽教授のノルベルト・ビエルマン氏、日本の物理研究者で特許専門家でもある友清理士氏。

この学際的なチームが10年間にわたって協力し、歴史暗号の発見と解読に取り組んだ。ラスリー氏は歴史暗号のデジタル化や転記、意味の特定を手掛ける「ディークリプト・プロジェクト」のメンバーでもある。

3人は暗号解読に乗り出してすぐ、書簡がフランス語で書かれており、イタリアとは何の関係もないことに気付いた。

3人は女性形を使った表現や幽閉への言及、そして「ウォルシンガム」というキーワードを発見。ウォルシンガムは女王エリザベス1世の側近で諜報(ちょうほう)責任者を務めていたフランシス・ウォルシンガムを指す。こうした点はいずれも、数世紀にわたり行方不明と考えられていたメアリー・スチュアートの書簡が見つかった可能性を示していた。

研究結果は7日付の専門誌「クリプトロジア」に発表された。

今回解読された資料は合計で約5万語。メアリーがイングランドに幽閉されていた時期に新たな光を当てるものだ。

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