謎の古代文明モチェ、1500年前の宴会場を発掘 ペルー

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2005年に発見された女性のミイラの復元骨格

2005年に発見された女性のミイラの復元骨格

しかし饗宴(きょうえん)の様子はこれまで、陶磁器に描かれた2次元の文様でしか確認できていなかった。

モチェ遺跡に詳しい博物館館長は今回見つかった部屋について、「陶磁器に描かれた内容と完全に一致する」と述べ、そうした饗宴が実際に行われていたことが確認されたと指摘する。

埋葬地の発掘では、ばらばらにされて頸椎(けいつい)に印がつけられた遺体も見つかった。首を切断され、いけにえの儀式に使われていたと思われる。頭蓋骨(ずがいこつ)が泥の中に埋められていたことから、めったに降らない雨を祝う儀式の中で、いけにえをささげていたと専門家は推定している。

モチェの遺跡では、金に覆われ、武具を身に着けた女性のミイラも2005年に見つかっており、モチェの女性は政治的、宗教的に高い地位にあったと推定される。このミイラは副葬品の多さや両腕と両脚にタトゥーがあることから、地位の高い司祭か統治者だった可能性もあるとみられる。

モチェ文明は今も多くの謎に包まれている。砂漠の中に高度な文明を築いていたにもかかわらず、紀元700年ごろに突如として消滅した理由は分かっていない。

ある研究者はエルニーニョ現象が引き起こす自然災害によって滅びたと考える。ペルーではエルニーニョ現象が引き金となって定期的に大規模な洪水が発生している。また、人民の不満が高まって体制の崩壊につながった可能性も指摘されている。

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