日本製鉄、米USスチールの買収を完了 総額2兆円

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米ペンシルベニア州にあるUSスチールの工場に置かれた鋼板コイル/Rebecca Droke/Bloomberg/Getty Images

米ペンシルベニア州にあるUSスチールの工場に置かれた鋼板コイル/Rebecca Droke/Bloomberg/Getty Images

(CNN) 日本製鉄は18日、米鉄鋼大手USスチールの株式を100%取得する買収手続きを完了したと発表した。買収総額は約141億ドル(約2兆円)。かつて米国で最大の企業であり、世界でも最も価値のある企業の一つとされた象徴的な製鉄会社が完全に外国資本の傘下に入った。

買収条件は、2023年12月に公表されたものと同じで、1株あたり55ドルで日本製鉄がUSスチールの全株式を取得する。社名や本社所在地(ペンシルベニア州ピッツバーグ)はそのまま維持される。

今回の最終的な合意では、米政府がUSスチールの重要な経営判断に関与できる仕組みも盛り込まれた。トランプ大統領は、生産縮小や人員削減、工場の操業停止といった決定に対して拒否権を持つことになった。

今回の買収については、当初トランプ氏自身も反対していた。だが先月、買収を「投資」と位置付けた上で、「部分的な所有」であり「米国が実質的に管理する」内容だとして最終的に容認する姿勢を明らかにしていた。

日本製鉄によるUSスチールの買収は、バイデン前大統領が退任直前に国家安全保障上の理由から拒否していたほか、トランプ氏も大統領選の間は反対する姿勢を示していた。しかし政権発足後、トランプ氏は、日本製鉄がより有利な条件を提示し、140億ドルの追加投資を約束したなどとして容認に転じた。

1901年に創業したUSスチールは、かつて世界で初めて時価総額10億ドルを超えた企業であり、米国の製造業の象徴的存在だった。自動車や家電、橋や高層ビル、さらには第2次世界大戦で使用された兵器の製造にも不可欠な存在だった。しかし、戦後の最盛期を過ぎると長期の低迷が続き、現在では米国最大の鉄鋼企業の座を譲り、国内の従業員数も1万4000人にとどまる。

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