管制官の言い間違いであわや衝突、仏パリの空港で航空機が90mまで接近

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シャルル・ドゴール空港の管制塔=2020年5月25日、フランス・パリ/Abaca Press/Alamy Stock Photo

シャルル・ドゴール空港の管制塔=2020年5月25日、フランス・パリ/Abaca Press/Alamy Stock Photo

(CNN) フランスの首都パリにあるシャルル・ドゴール空港で昨年7月、管制官の「言い間違い」により航空機2機が300フィート(約90メートル)まで接近し、あわや衝突するニアミスが起きていたことが、20日に発表された報告書で明らかになった。

フランス航空事故調査局(BEA)の報告書によると、この事態は2020年7月20日、米ニュージャージー州ニューアーク発のユナイテッド航空ボーイング787型機と、スペイン・マラガへ向けて離陸の準備を進めていた英格安航空会社(LCC)大手イージージェットのエアバスA320型機の間で発生。

その際、両機は09右と09左滑走路から離陸および着陸しようとしていたが、管制官が誤ってユナイテッド航空機に09右滑走路に着陸するよう指示したという。

同機の搭乗員は「了解」や「9右へ退避」といった言葉を用いて滑走路の変更を確認しようとしたが、管制官は搭乗員の復唱を確認せず、イージージェット機に対して9右滑走路から離陸する準備をするよう、指示を進めていた。

この時点でユナイテッド航空機は9左滑走路に着陸する準備を進めている状態だったため、同機の搭乗員は変更の手順を開始。だが、搭乗員がもう一度確認を行った際には、機体はすでに着陸態勢に入っていた。

その一方、イージージェット機の乗組員は管制官に対し、ユナイテッド航空機が09右滑走路になぜ着陸しようとしているのかと尋ね、衝突する可能性があると警告。

この時点でユナイテッド航空機は高度300フィート(約90メートル)、および滑走路の端から1300メートルの位置を飛行していた。

そうしてイージージェット機の搭乗員、および管制官の双方がユナイテッド航空の搭乗員に対してもう一度機体を上昇させるよう指示し、同機の操縦士は着陸を中断した。

両機の進路が交錯した際、両機間の距離はわずか90メートルほどしか離れていたかった。

09滑走路を管轄するスクリーン装置は故障していたとみられ、また管制官は別のスクリーンを見ながら業務に当たっていたため、管制官の注意は直接、09滑走路に向けられていなかったという。

この事態が発生した際には、09滑走路を管轄するスクリーンには修繕が施され、切り替える準備が進められていたが、管制官はこの点について「懸念」があったという。

またこの管制官は調査員に対し、別の航空機からの09右滑走路に着陸したいとの要請と混同してしまったと話している。

BEAはこの事態を引き起こした要因について、数々の事実を列挙。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により航空便が減少し、管制官の訓練が不足していた他、ユナイテッド航空機の乗組員が、標準的な用語ではない「了解」の代わりに、「確認」という用語を用いるべきだったと指摘している。

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