フランスやギリシャ、医療従事者のワクチン義務化 拒めば給与払わず
(CNN) 新型コロナウイルスの症例数が急増している欧州で、医療従事者のワクチン接種を義務化する国が増えている。中には国民全員の接種義務付けを検討している国もある。
フランスとギリシャは12日、医療従事者らのワクチン接種義務付けを発表した。
これに先立ちイタリアは4月に医療従事者のワクチン接種を義務化。英政府も10月から介護施設職員らの接種を義務付けると述べていた。
これに対してイタリアでは、接種を望まない医療従事者が複数の訴えを起こしている。英国ではワクチン義務付けに反対する署名嘆願に7万2000を超す署名が集まった。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は12日、医療従事者や介護・看護施設職員は9月15日までにワクチンを接種しなければならないと発表した。大統領の発表に続いてオリビエ・ベラン保健相は、ワクチンを接種していない医療従事者は出勤を禁止し、9月15日の期限後は給与の支払いも停止すると表明した。
マクロン大統領はさらに、「状況次第では間違いなく、フランス人全員にワクチン接種を義務付けるかどうかを自問しなければならなくなる」と述べ、国民全員に接種を義務付ける可能性を示唆した。
ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は12日、介護施設職員のワクチン接種を義務付けると発表した。接種を拒んだ職員は8月16日から停職処分となる。9月からは公立・私立を問わず、医療従事者全員に接種を義務付ける。
ミツォタキス首相はさらに、今月16日から8月末までは、ワクチンを接種した人のみが、娯楽施設やバー、劇場、映画館といった屋内商業施設に入場できると説明。「一部の人の態度のために、この国を再び閉鎖するわけにはいかない」「危険なのはギリシャではなく、ワクチンを接種していないギリシャ人だ」と強調した。