輝き薄れる金、1800ドル割り込む FRBの早期利上げ示唆で

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FRBが利上げ時期の見通しを前倒しし金価格が下落している/Shutterstock

FRBが利上げ時期の見通しを前倒しし金価格が下落している/Shutterstock

ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、予想より早い時期に利上げを実施する見通しを示し、市場を驚かせた。特に金投資家の失望は大きかった。

金価格は16日に4%下落し、17日も続落。5月上旬以来、初めて1オンス=1800ドル(約19万8000円)を割り込んだ。

金価格がインフレ懸念とともに上昇するのは事実だが、金融市場は既にこのシナリオを織り込み済みなのかもしれない。FRBがインフレの脅威をこれまでより深刻に受け止め、より積極的な対策に乗り出す可能性があるとの予想から、投資家はむしろ金を売っている様子だ。

金利が上昇すれば、金利上昇局面で恩恵を受ける傾向にある債券など他の資産に比べ金の魅力が薄れるため、金にとっては悪材料となる。

スイスクオートの上級アナリスト、イペック・オズカルデスカヤ氏は17日の報告書で、「将来的な利回り上昇が見込まれれば、インフレ圧力が高まっても金の値上がりポテンシャルは頭打ちになるはずだ」と指摘した。

FRBがより積極的なインフレ対策に乗り出した場合、債券利回りの上昇やドル高につながる可能性があり、金にとって良い材料ではないと言える。

アバトレードのチーフ市場アナリスト、ナイーム・アスラム氏は17日の報告書で、現在の金売りは2013年の「テーパー・タントラム」に似ていると指摘した。当時、FRBは債券などの資産購入の縮小を始めると示唆し、市場の混乱を招いた。

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