イスラエル全土でのゼネストを人質の家族が呼びかけ、ガザ戦闘エスカレートに猛抗議
エルサレム(CNN) イスラエル治安閣議でパレスチナ自治区ガザ地区の戦闘をエスカレートさせる計画が承認されたことに抗議して、今もガザで拘束されているイスラエルの人質の家族が17日に全土でゼネストを決行するよう呼びかけている。
人質の家族らはテルアビブで「兵士と人質を救うために国を閉鎖する」と宣言。17日のストには数百社の企業や数千人の市民が参加して経済活動をまひさせると予告している。
イスラエル最大労組のイスラエル労働総同盟(ヒスタドルート)はまだ参加を表明しておらず、人質の家族らが同組合の委員長と11日に会って参加を促す方針。
人質の母親のアナト・アングレストさんは経済界や労組のトップに対し、「あなた方の沈黙が私たちの子どもを殺している」と訴え、「あなた方が心の中で私たちと同じように苦しんでいることは知っている。しかしそれだけでは足りない。沈黙は命を奪う。だから今、これまで思いとどまってきたことを業界のトップに訴えたい。あなた方には力がある」と呼びかけた。
ヒスタドルートは昨年、人質の家族を支援してゼネストを決行し、交通機関や銀行、医療機関などを混乱に陥れた。これに対してイスラエル政府は労働裁判所の差し止め命令を通じてストを中止させる措置に出た。
今回のゼネストに対してはイスラエル野党の指導者らも支持を表明。民主党のヤイール・ゴラン党首は全国民に対してストに参加するよう呼びかけている。
イスラエル治安閣議は8日、ガザの戦闘を拡大してガザ市を占領する計画を承認。これに対してガザに残る50人の人質の家族は、新たな軍事作戦の開始は人質にとって死の宣告に等しいとして猛反発していた。